好印象の面接官を形容する言葉は似通っているが、面接官に個性がないかというとそうではない。ある企業で頻出する用語があり、例えば後述するニトリでは「フィードバック」という言葉が異様に目立つ。こういう語彙の偏りは各社の企業文化を表しているように見える。
「好印象面接官」の1位は楽天グループ(32票)だ。2位の東京海上日動火災保険の22票、3位富士通の19票と比べ、かなり多い。
面接では決められた設問を淡々と質問していき、最後に「何かご質問はありますか?」と逆質問をうながすパターンもある。こういう形式的な面接の対極にあるのが楽天グループの面接だ。企業による学生選考の場という対立軸ではなく、学生の本質を引き出そうとしている。
「用意された質問を聞いている感じがしなかった」「話を引き出してくれた」「学生の中身をよく知ろうとする姿勢が伝わった」「堅苦しい敬語などは気にせず、ありのままにお話してくださいと笑顔で言ってくれた」とコメントにある。学生が面接で緊張する理由の1つが敬語に慣れていないことである。しかし、楽天グループでは敬語は不問のようだ。
社内環境が面接にも反映?
楽天グループの面接は、社内コミュニケーションの文化を反映しているのかもしれない。よく知られていることだが、楽天は2010年に英語公用語化を宣言し、助走期間を経て2012年に実施した。そして、いまでは世界70カ国の国籍を持つ社員がいるそうだ。
世界には英語を母語にしない国も多いから、英語が苦手な外国人社員もいるはずだ。そういう多国籍異言語環境でコミュニケーションを取るためには、言語以外のランゲージが大切になる。笑顔、うなずきは重要なボティーランゲージだ。そして、相手が何を言いたいのかを理解しようとする「聞く力」も必要だ。そういう社内環境が面接にも反映しているように思える。
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