就職先選びで、能力・個性が生かせる企業を重視した人は34.8%
心のバーがなかなか開かないことなどから、「ETC型」といわれる今年の新入社員。しかし、厳しい現実をしっかりと見据えているようだ。
日本生産性本部と日本経済青年協議会が行った2010年度新入社員を対象とした「働くことの意識調査」によると、人並み以上に働きたいと思い、自分の能力、個性が生かせる就職先を志向するなど、仕事重視の姿勢が鮮明となってきている。
同調査は、生産性本部等が1969年以降、毎年1回、新入社員の入社時に継続的に実施しているもの。今年は3月初めから4月末に行われた生産性本部の研修に参加した新入社員約2700人にアンケート調査を実施した。
就職活動が、昨年入社組と異なり厳しい状況で行われたため、第1志望の会社に入れた人は、昨年の62.3%から55.2%に低下。一方、そうした厳しい状況を反映して、人並み以上に働きたいとする人は43.0%と2ポイント増加、2~3年前の就職ミニバブル期に見られたお気楽志向は後退している。
就職先を選ぶ際の基準も、「能力・個性を生かせる」が昨年の30.2%から34.8%へと増加、調査開始以来の最高を更新。「仕事が面白い」も24.8%と4.1ポイント増加した。その反面、昨年10.2%と5年ぶりに2ケタ台に回復した「会社の将来性」は8.3%に再低下するなど、終身雇用制の後退を背景として「就社」より「就職」との意識が着実に浸透しているようだ。
(『東洋経済 統計月報』編集部)
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