今年はガラガラ「富士山」入山料が義務化される訳 任意の「協力金」は3人に1人が支払い拒否の現実
現在の富士山では、シーズン中の登山者に向け、富士山保全協力金(以下協力金)の徴収を呼び掛けています。これは、静岡・山梨県の各登山道の入り口に徴収員が立ち、5合目より上に登る登山者に1人あたり基本1,000円を協力金として任意で支払ってもらうようお願いするものです(ネット、コンビニ支払いも可)。
集まったお金は、5合目より上の登山道の安全対策や、救護所の運営費用、富士山の登山意識向上に関わる普及啓発事業など、富士山の登山者の安全やマナー向上の取り組みに活用されています。
今年の協力金徴収は、コロナ対策の検温・体調チェックとワンストップで行われる、異例の対応となりました。協力金を支払った方には、静岡県側は缶バッチ、富士吉田口では木製の協力者証が贈呈されます。バッジは毎年図柄が変わるので、毎年登って集めるのも楽しみのひとつですね。
ただ、今年の吉田口における協力金の徴収率は65.2%で、3人に1人は「協力」を拒否していることになります(2019年は同67.2%)。
そんな任意での協力金が、今後入山料として義務化されることが、富士山世界文化遺産協議会(静岡県・山梨県)で決定されました。導入時期・徴収方法などは未定ですが、この制度に移行すると、一定の区域(5合目~山頂登山道)に入山する登山者から、入山料と手数料を合わせた金額をもれなく徴収するようになります。
「無謀な登山者」が減る?
これまでの協力金はあくまでも個人の善意で頂くものであり、払う人と払わない人の不公平感があったので、それを解消することができると同時に、その金額設定によっては、登山者数を抑制する効果が期待されています。
分かりやすく言えば、入山料を高額に設定すれば、富士山に無計画、装備不足でふらっとやって来る無謀な登山者が減り、相応の装備やマナーを身につけた「意識の高い」登山者が増えるのではないか、と予想されているということです。
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