今年はガラガラ「富士山」入山料が義務化される訳 任意の「協力金」は3人に1人が支払い拒否の現実
安易に海外の事例を参考にして高額な設定にすることは、富士山を取り巻く特殊な社会的な状況や、これまでの富士登山の歴史を考えると簡単ではないでしょう。
金額を適正利用に直接結び付けるというのではなく、登山者のマナーや安全に対する意識を向上するための普及啓発の取り組みにも力を入れ、富士登山に訪れる登山者の質を向上させることで、富士山の環境や、登山の安全性を担保することも重要であると感じます。
登山者を「分散させる」方法
混雑緩和には安易な規制だけではなく、利用箇所の分散も有効です。
公共交通機関と連係し、各登山口の駐車場を結ぶ路線バスを運行すれば、マイカーで登山口まで訪れる人たちが、登りと下りを別ルートで楽しめるようになりますよね。
例えば、静岡側から登って、山梨側に降りる。下山先からバスに乗って、マイカーを止めた静岡側の駐車場に戻って帰れるといった形ができれば、登山道の利用率分散につながると同時に、登山者の周遊性も向上し、富士登山の楽しみ方も広がるのではないでしょうか。
そのほかにも、登山道以外の5合目より下のトレッキングコースを利用し、富士登山とは違った富士山の魅力を味わう楽しみ方も沢山あります。こういったコースの利用率向上には、我々ガイドが一層がんばっていかなくてはと感じています。
長々と語ってきましたが、富士山の入山料の金額は、義務化後も議論が続けられていくと思います。読者のみなさまにも様々なご意見があり、徴収には反対という人もいるかと思います。今回の義務化にあたり、みなさまはいくらまでなら支払えると感じられますか?
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