住む場所の変化が「シン・街道資本主義」を生む訳 「街」のメディア化が導く「鉄道資本主義」の終焉

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あらゆるメディアのコンテンツがデジタルデータに変換され、インターネットという巨大なプラットフォーム上で自由にやりとりできるようになったからです。映像も音声も画像もテキストもデジタルデータになれば取り扱い方法はデータのサイズが違うだけで基本的に同じです。

そいて、インターネットのメディア生態系に適応したハードウェアが生まれました。個人が使うネット端末といえばパソコンでしたが、日本では1999年に登場したNTTドコモのiモードが携帯電話=インターネット端末の世界をいち早くもたらしました。

「炎上」と「善用」の間に置かれた人類

さらなるゲームチェンジャーはAppleです。2007年のiPhone=スマートフォン誕生と、その大型版であるiPad=タブレット端末の発売、さらにはあらゆるサービスを「アプリ」のかたちで簡単にダウンロードし、利用できるようにしました。私たちはいつでもどこでも、従来のテレビやラジオや新聞や雑誌や映画や書籍やライブやレコードや演劇などを再生できるようになったわけです。

インターネットとスマホは、個々人や非メディアの企業や組織をマスメディア化する状況をもたらしました。

私たちは、個々人が撮った写真や映像や音声やテキストを気軽にネット空間にアップすることができ、また他人のコンテンツを再生して視聴することができます。Youtubeには、従来のマスメディアのコンテンツと個人がアップしたコンテンツが並んでいます。従来のテレビではありえなかった状況です。音声とポッドキャスト、写真とインスタグラム、テキストとキンドルなどでも、プロとアマチュアのコンテンツが混ざっている。

人類の多くが潜在的に「作家」であり、「ジャーナリスト」であり、「漫画家」であり、「映画監督」であり、「テレビディレクター」であり、「ラジオDJ」であり、「ニュースキャスター」であり、「画家」であり、「写真家」であり、「俳優」であり、「歌手」であり、「音楽家」であり、「評論家」であり、「タレント」なのです。

一方で、「だれでもマスメディア時代」は、個々人が巨大なリスクを背負う危険をもたらします。「炎上」はもちろん、プライバシー侵害、果ては財産や生命の危機に陥る可能性もありえます。

私たちはすでに「だれでもマスメディア時代」に生きている。後戻りはできません。

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