「会社辞め、起業したい人」に学んでほしい7大失敗 事業を失敗に導く人の姿勢には共通点がある
とはいえ、小野さんの事業は最初から順風満帆にいったわけではありません。初めのうちは全国の就労支援事業所に電話やFAXをして登録を促し、民間企業にも説明を続けました。その中では、無下に断られることも1度や2度ではありませんでした。
また、当初は納品する商品の質にムラがあることもしばしばあり、小野さん自身が手を動かし埋め合わせることもありました。他にも、資金調達の際には銀行やVC(ベンチャーキャピタル)に、「事業としてスケールするイメージが持てない」という理由で断られることが続きました。
しかし創業して7年が経った現在では、ヴァルトジャパンは1000件の事業所が利用し、ワーカーは1万2000人にも及んでいます。
受託案件も1500件を超えました。平均月給も、国は10年間で約1万2000円から約1万6000円まで引き上げるのが精一杯だったのに対し、ヴァルトジャパンは3カ月で約4万5000円にまで向上させることができました。加えて、直近では2億円の調達にも成功したのです。
意思ある先に道が拓けることを実感
僕は小野さんの奮闘を横でサポートしていて、意志ある先に道が拓けるということを改めて痛感したのでした。
独立起業の成功例としてヴァルトジャパンをお伝えしましたが、続いて、よくある失敗例を紹介しましょう。僕は、事業を失敗に導く姿勢やマインドを、「7つの大罪」と呼んでいます。
第1の大罪 意志なき起業
→意志がなければ、挑戦もできず、たくさんの失敗を乗り越えることもできない。
→自分で経験せずに手軽に理屈で学ぼうとすると、つまずく。大事なのは行動し、体験から学ぶこと。
→顧客に価値を生む視点がなければ、モノあふれの時代ではうまくいかない。
→「目の前の業務をこなす」という感覚では、顧客に熱は届かない。
→挑戦して失敗するどころか、挑戦もしないケースが多い。100%安全な起業や新規事業はありえない。
→自分を守ろうとする保身やことなかれ主義からは、新たな価値は生まれない。起業で必要なのは利他の視点。
→大切なのは誰かに答えをもらうことではない。重要なのは、他人の答えに頼らずに、自ら問い、考え、行動をすること。
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