「日本株はどうせダメ病」に陥る人が見逃す真実 アメリカは好調だが日本株も過度な悲観は不要

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もちろん、マクロ経済統計でも弱いものはあるし、企業の決算発表でも、IBMやインテルなど、市場の失望を呼んで株価が下落したものもある。
加えて、日々の市場の動きを見ても、「あたふた」とした局面が目についてきている。

例を挙げると、18日にはOPECプラスの増産(減産幅の縮小)があまり進んでいないとの報道から、原油価格が1バレル=84ドル近くまで上振れ、そのためにアメリカの10年国債利回りも1.6%を超えたことから、同国の主要株価指数が下落した。

しかし一方で、当日発表の9月の鉱工業生産の前月比減少(8月末のハリケーンの影響が大きいのだが)から、エネルギーに対する需要が減退したとの観測がその後広がり、原油価格が反落。10年国債利回りも1.6%を割れて、ザラ場安値から株価指数が持ち直す、というドタバタだった。

また22日には、ジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のオンライン講演での「インフレが根強い」という発言に反応して一時長期金利高・株安に振れたかと思えば、議長が「利上げは当分先だ」との主旨を述べたことに注目が移り、一転して金利が低下し株価指数が持ち直すといった、右往左往状態だった。

2022年の「株価下振れ」予想は不変

そもそも経済指標の動きを昨年から振り返ると、コロナ禍でほとんどのアメリカの経済指標が昨年4月にボトムをつけたあと、急速な改善を見せた。

しかし足元では、回復一服に見えるものが混じってきている。依然としてアメリカの経済や企業収益が改善基調にあることは確かだと判断するが、改善の勢いが弱くなってきているとすれば、これから先のアメリカの株価は上昇こそするものの、上昇率は大幅ではないだろうし、上昇期間も長くはないだろう。

NYダウ工業株指数は、12月末前後(「前後」は、かなりの幅を持って考えていただきたい)に、3万7000ドルあたりまでは上昇すると見込むが、その予想値は現在の値から1割も高くない。さらに、今年終わりごろまでに形成する高値が当面の高値ともなり、2022年は株価が大きく下振れする局面があるだろう(これについては、もう少し先で詳しく述べたい)。

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