「日本株はどうせダメ病」に陥る人が見逃す真実 アメリカは好調だが日本株も過度な悲観は不要

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一方、足元の日本株については、どうもパッとしない。「ドル建て日経平均」を100倍したものを、NYダウ工業株指数で割った比率を見てみよう(100倍しているのは、桁を合わせるため)。

今年2月には日経平均が上振れたため、この比率は同月16日の0.91倍でピークをつけたが、その後はほぼ一貫して低下基調をたどり、8月20日に日経平均が年初来安値を更新した際には0.70倍で底をつけた。そこからいったん9月に0.82倍までリバウンドしたものの長続きせず、22日は0.71倍とまた低迷している。

ドル高円安論は「いきすぎ」

最近はドル円相場に動意があったが、今は為替相場がどう動いても、日本株売りの口実に使われている感がある。ドル円は9月下旬を起点にドル高円安が進み、10月20日には一時1ドル=114円70銭円に迫った(相場データはロイターによる)。

この円安局面では、「これは日本がダメだから円が売られているのだ」「円安とドル建てのエネルギー価格高が同時進行しているため、円建ての輸入エネルギー価格が高騰し、日本企業の収益が圧迫される」といった、「悪い円安」論が優勢となった。

こうした急速な円安については、当方の有料メールマガジン「世界経済・市場花だより」(10月17日号)で、いくつかの分析を示して、「ドル円相場の天井はかなり低く、せいぜい115円を少し超えるかどうかにとどまる(120円などには進まない)」との予想を提示した。

その詳細は同メールマガジンに譲るとして、実際の為替相場も先週末にかけて円高に振れ戻り、113円57銭でドル相場は週を終えている。ところが、そうして円高に戻った先週後半には、「円高になっているから輸出株が売られた」との解説も唱えられた。今度はあたかも「悪い円高」論が市場を支配したかのような様相だ。

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