「適応障害」なりやすい人・なりづらい人の特徴 「軽い不調」と見過ごすのは絶対NGな理由

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適応障害は精神科の定番の診断基準「DSM-5」によると、「はっきりと確認できるストレス因に反応して、ストレス因の始まりから3ヵ月以内に情動面、行動面の症状が出現」する、と書かれています。

わかりやすく言うと、「明らかな原因があって、最近、心や体の調子が悪くなった」という疾患です。具体的にどのような症状を呈するかについての規定はないので、「うつ状態」でも「不安状態」でも、いろいろな症状に適用可能。つまり、非常に使いやすい診断名ということになります。

適応障害をなめてはいけない

適応障害に限りませんが、精神科において初診時に出される診断名は、ほとんどの場合「暫定診断」です。初診の所見に基づき、暫定的に診断された診断名なので、それで一喜一憂するものではありません。

しかしながら「なんだ、適応障害か。あまり心配ないな」と自己判断して、処方された薬を飲まなかったり、通院をやめてしまうなど軽視するのは禁物です。その後に症状が著しく悪化するということもありえます。

理由2:実は重たい病気である

うつ病の診断基準には、9個のうつ症状のうち「5つ以上が、同じ2週間の間に存在する」という基準があります。

仮にあなたが「抑うつ気分」「睡眠障害」「食欲低下」「疲労感」「集中力低下」など、典型的なうつ症状を5個以上認めたとしても、調子が悪くなったのが「1週間前」からであれば、「うつ病」と診断されることはないのです。その場合、「適応障害」と診断されるかもしれません。

しかし、1週間後にもう一度受診して、同じ症状か続いていたとしたら、今度は「2週間」続いているので、「うつ病」の診断基準に合致するのです。精神疾患の診断基準は、このように「症状の個数」や「持続期間」が明記されているものが多いのですが、そこに当てはまらないものはとりあえず「適応障害」と診断されることがあります。

名医だからといって正しい診断ができるわけではなく、最低でも数週間。できれば、何ヵ月か観察しないと、正しい診断ができないのです。ですから、最初「適応障害」と診断されても、実はもっと「重たい病気」である可能性もあります。

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