学生が評価するポイントは「デザイン力」。わかりやすい、見やすいという言葉はデザイン力を指している。もう1つの評価ポイントは「信頼と共感」。6位のNTTデータは両者を過不足なく備えている。
「インターフェースが同業他社のものより見やすかった」(文系・その他私立大)
「情報がきちんと公開されていて、かつまとまっていたのでわかりやすかった」(文系・早慶大クラス)
印刷物では社員の撮影に注意を払い時間をかけたものだが、Webの時代になって、カメラの性能が上がり、スマホでもかなりの画質の写真が撮影できるようになった。そこで経費を削減するためにプロのカメラマンを使わず、自分たちで撮影することが増えている。ただ「社員の顔が生き生きとしていた」(文系・中堅私立大)という学生の感想を読むと、ホームページでも表情は重要であることがわかる。
また、環境や持続的成長に関わる課題を論じていることに共感する学生もいる。
「業界のシェアとSDGsへの貢献が高かった」(文系・上位私立大)
バンダイは時間帯に合わせたメッセージ
採用ホームページのイメージは、われわれが抱いている企業イメージに近しいことが多く、7位のバンダイでは「楽しそう」「夢」「ワクワク」という言葉が目立つ。学生がすでに持っているイメージから企業情報を伝えると理解が深まるのだろう。
「社員の楽しそうな雰囲気が伝わってきた」(文系・中堅私立大)
「夢やワクワクがどこよりも詰まっていた」(理系・その他私立大)
興味深いのは学生の状態によってレスポンスを変えていることだ。
「マイページを開くたびに、『遅い時間までお疲れ様です』など、その時間帯に合わせたメッセージが出てくる。また、社員の方々の楽しそうな写真も印象的」(文系・上位私立大)
こういうちょっとした言葉の気遣いが就活に疲れた学生を励ますのかもしれない。
8位の講談社への評価では、「デザイン」という言葉が目立ち、「ポップ」「かわいい」「わかりやすい」という表現もある。日本を代表する出版社なので、デザイン性に優れているのは当たり前と言えば当たり前。興味深いのはその内容だ。企業への不満や改善してほしいことを学生に質問すると、最も多いのは選考過程の開示だ。
選考過程をブラックボックスにしている企業は多い。実質的な選考過程はサマーインターンシップに始まり、説明会、エントリーとES提出、面接と進んでいく。しかし、このプロセスが説明されず、面接に進んでも結果が連絡されない「サイレントお祈り」が横行している。ところが、講談社ではすべてを明示している。この点を評価するコメントが非常に多い。
「昨年実績など選考データが詳しく掲載されていた」(文系・旧帝大クラス)
「選考方法が詳しく書かれていた」(文系・上位私立大)
「経験談など、実際の話や、大まかなスケジュールがわかりやすかった」(文系・中堅私立大)
選考過程の開示に関して講談社はホワイトな企業といえるだろう。
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