日本人の給料がどうにも上がらない決定的な理由 マクロ要因を除いても様々な慣習が妨げている

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① 製造業ベースの考え方

IT分野であれば、1人の天才はほかの社員の100倍の価値があるかもしれない。一方で、製造業の組み立てラインを想像してもらえば100倍の差はつかない。個性よりも安定性が求められ、全員が一丸となって品質の高い製品を作り上げる必要がある。

日本は製造業を中心として高度成長期を経験してきた。人材は、その職場(会社)に継続して帰属しながら改善を繰り返し、全体の業務や社内人脈を駆使しながら仕事をこなすことを求められる。そのうえで、性能に安定感のある、高品質で低価格の商品を売り出すことに注力してきた。そして、取引先にも同様の安定性を求める。

値上げを嫌がる企業

私がコンサルタントとして企業の会議に出席しているとき、いつも思うのだが、つねに高品質と低価格の話ばかりになる。私が「価格を値上げしたらどうですか」というのだが、とくに企業相手の商売をやっている企業(BtoB)の反応はよろしくない。

私は価格を10倍とか100倍にしろといっているわけではなく、品質に見合った適正な価格で販売するのを勧めているだけなのだが、とにかく価格に転嫁しようとしない。むしろ価格を上げて売れなければ、過剰高品質なだけと思う。

ただ、取引先にも顧客にも、安定を求めたり求められたりして、ずっと価格が上がらない。これが日本人の給与水準が上がらないベースにある、自らの姿勢である実感を強くもっている。

② 人材流動性の低さ

経営者側の立場からすれば、同じくらいの業績の社員がいたとして、ずっと雇う必要がある社員と、雇う必要がない社員の扱いをどう考えるか。事業転換の必要があり、もしかすると特定の技能をもつ社員は不要になるかもしれない。これは社員側の責任ではなく、会社のビジネス方針の問題だ。

とはいえ、将来に何が起きるか不明だけれど雇い続けるなら、会社側として給与を低く抑えたい気持ちになるからだ。

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