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「ウマ娘」超絶ヒットが作り出す意外に大きな潮流 ゲームやキャラクターに対する閾値を下げていく

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  • 中山 淳雄 エンタメ社会学者、Re entertainment代表取締役
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これだけのキャラクターと物語のもとになるモチーフがあれば、今後も新たに美少女キャラクターを作り続けられる。競走馬のIP(知的財産)を二次創作するためには馬主との許諾交渉が必要だが、その苦労を乗り越える価値がある話である。

誰もが遊んでいるという規模の経済

数百万人が毎日同時に遊んでいる威力は推して知るべしである。JRAのサイトでも2021年1月までは全体の10%程度だった20代の若年層が、2021年3月には全体の20%を超え、急激に競馬ファンが増えている。引退馬のナイスネイチャの誕生日に合わせた寄付金集めでは、2020年に400人だった寄付者が2021年には1.6万人へと40倍に増え、寄付金も総額3500万円集まった。

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数百万人がプレイしているという事実が、参入のハードルを下げる。誰もが遊んでいるという規模の経済が、その趣味を肯定してくれる。こうしたヒット作品の連鎖は確実に人々のゲームやキャラクターに対する閾値を下げている。

依然『パズドラ』や『モンスト』が多くの人々にプレイされているのはわかる。ビジュアルも『ビックリマン』を彷彿とさせるようなカジュアルなものだし、それなりに「子供も大人も遊ぶジャンル」としてわかりやすい。

だが『Fate/Grand Order』が流行したとき、あの美少女たちのビジュアルが一般化する過程をみて、驚いた人も少なくはないはずだ。まして美少女をウマにして走らせるという『ウマ娘』が第4の覇権アプリに君臨したとき、日本のアプリ市場、エンタメ市場のなかで、この閾値のステージが変わったことを感じる。

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