むさしの森珈琲が「1人時間需要」で成功したワケ ジョナサンから「ゆとりの空間」への業態転換

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今回訪ねたむさしの森珈琲武蔵野西久保店を観察しても、そうした意図はよく伝わってくる。同店は2021年7月22日、ジョナサンからの転換でオープンした。JR三鷹駅から徒歩10分程度、かつ幹線道路沿いで、ゆったりとした敷地とアクセスの良さを兼ね備えている。

木々に囲まれ、ペットOKのオープンスペースを備えた佇まいで、リゾート地にいるようなくつろぎを感じられそうだ。

テーブル席はもちろん、一人客用のカウンター席もスペースにゆとりを持って設えられている。

落ち着きを感じられる空間がむさしの森珈琲の特徴。写真は武蔵野西久保店。客が豊かな時間を過ごせるよう、客席配置にもゆとりをもたせた(写真:すかいらーくホールディングス)

この店に特徴的なのは、入り口にウェティング専用のルームが整えられていること。開放感があり心地が良いので、イライラすることなくいつまでも待っていられそうだ。また、感染対策という観点からも気持ちが楽である。

こちらは特別にコロナ対策ということではなく、ジョナサン時代からそのままに残されているスペースとのこと。以前はポップアップストアなど、店舗独自にイベントを開催していたという。

看板メニューは「ふわっとろパンケーキ」

むさしの森珈琲の看板メニューは「ふわっとろパンケーキ」。時間が経つとふわっとろ感が失われてしまうデリケートな食べ物なので、注文を受けてからメレンゲを泡立てて焼きあげる。職人技とスピーディーな提供が命のメニューである。

むさしの森珈琲の看板メニュー、ふわっとろパンケーキ(638円)。口の中ですっと消えていくようなはかない食感が魅力を増している。パンケーキ検定に合格した従業員のみが作ることを許されている(撮影:風間仁一郎)

「研究に研究を重ねて開発したオリジナルメニューです。一からメレンゲを立てるので、できあがりまでに20分かかります」(織部氏)

夏場はメレンゲが立ちにくいなど、季節にも左右されるほか、メレンゲを残しながら火を通しすぎず焼きあげるのが肝要。このように難しいメニューのため、同社ではパンケーキ検定を実施し、合格者のみがパンケーキをつくることを許されているという。

その他、同チェーンがこだわりを込めているのが、旬の果物を用いたスイーツだ。今の時期(11月10日まで)はシャインマスカットにフィーチャーしている。パンケーキ、パフェ、プリンなどがあるが、高価なシャインマスカットを、いずれもたっぷりと使っているのが特徴だ。

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