「地味につらい口内炎」を繰り返さない予防策 どのような形と色なのか、確認してますか?

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まずは疲労やストレス要因を減らし、睡眠時間を延ばすように心がけましょう。栄養素不足の解消としては、バランスよい食事を心がけることに加え、粘膜を保護する働きのあるビタミンB群の補給が効果的とされています。なかでもビタミンB2(レバー、うなぎ、納豆、アーモンド等)やビタミンB6(レバー、マグロ、カツオ、バナナ、にんにく等)は効果が高いとされているため、口内炎がよくできる方はこれらの食材を毎日の料理や外食のメニュー選びの際に取り入れてみましょう。食事での十分な摂取が難しい場合は、ビタミンのサプリを利用してもよいでしょう。

口腔内を清潔にすることも重要

また、口腔内を清潔にすることも重要です。食後や就寝前の歯磨きだけでなく、歯科での定期検診によるクリーニングで、自分では届きにくい箇所の細かい汚れや歯石の除去を行いましょう。さらに近年のマスク生活で口呼吸の頻度が増え、口腔内の乾燥によって唾液が減ることで粘膜の保護作用が低下し、口内炎を発症する例も出てきています。マスクをしていると鼻を覆うため息苦しく、つい口呼吸となりがちですが、意識して鼻呼吸をすることや、こまめに水分補給やうがいを行うことで口腔内を潤しましょう。うがいの際は水だけでなく、マウスウォッシュやデンタルリンス等を用いるとより効果的です。

もう1つの代表的な口内炎であるカタル性口内炎はアフタ性口内炎と異なり、境界のはっきりしない口腔内の荒れが主な症状となります。口腔内が赤く腫れ、刺激のある食べ物が染みるほか、口臭が気になることもあります。疲れや栄養素の不足も発症しやすくなる原因の1つですが、カタル性口内炎の主な原因は物理的な刺激です。具体的には義歯や矯正器具が粘膜に接触する、頬の内側を噛んでしまう、また熱湯や薬剤によって粘膜が傷つくことでそこに細菌が侵入し繁殖して、炎症を引き起こすことで口内炎となります。

したがって予防としては、口腔内を清潔にすることはもちろん、口の中に傷がつくような出来事に対しての治療、例えば矯正器具が合わずに歯肉に食い込んでいるような場合には、適切な歯科治療を受けることが大切です。

アフタ性口内炎とカタル性口内炎、どちらの口内炎も、発症してしまったら直近の生活を振り返り、その原因を取り除くことが重要となります。口腔内のため自分では見えにくい箇所ではありますが、口内炎はすべて同じと思わず、どのような形の口内炎ができているかをきちんと確認し、適切なケアを行うことが長引かせない、繰り返させないコツとなります。

1週間ほど痛みが続くのはつらいことですが、口内炎は乱れた生活習慣に対する黄色信号と考え、より健康な生活に改善するよい機会と捉えましょう。

上原 桃子 医師・産業医

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うえはら ももこ / Momoko Uehara

横浜市立大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構理事。身体とこころの健康、未病の活動に尽力し、健康経営に関する医療系書籍の編集にも関わっている。医師と患者のコミュニケーションを医療関係者、患者双方の視点から見つめ直すことを課題とし、とくに働く女性のライフスタイルについて提案・貢献することを目指している。

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