内部告発者語る「フェイスブック」ディープな内情 アメリカ上院議員を驚愕させた議会証言の中身
さらに同氏は、ワクチン関連のデマなどの検出をデジタルツールに集中させようとするフェイスブックの方針も批判した。フェイスブックは「人工知能(AI)のシステムに過度に依存しているが、同社も認めているように、このようなシステムでは有害コンテンツのせいぜい1割か2割しか検知できない」という。
ホーゲン氏はオーリン・カレッジで電気・コンピューター工学を学び、ハーバード大学でMBA(経営学修士号)を取得した後、グーグル、ピンタレスト、Yelp(イェルプ)などのシリコンバレー企業で働いた経歴を持つ。
フェイスブックでは誤情報拡散防止チームの一員として民主主義やデマに関連する問題に対処し、その後は外国政府によるフェイスブックの悪用対策も担当するようになっていたが、2年近く勤務した後、同社を去った。
「本当に裏切られた気分だった」
ホーゲン氏はフェイスブックに勤めていたころ、自社のサービスが害を及ぼしているという警告を何度行っても、同社ではそうした警告が意図的に無視されることに気がついたという。そして昨年12月に誤情報拡散防止チームが解体されると、同氏の我慢は限界に達した。
「本当に裏切られた気分だった」と同氏は語っている。
ホーゲン氏は内部文書を議員やWSJに提供しただけでなく、その一部を少なくとも5人の州検事総長やアメリカ証券取引委員会(SEC)の事務所に送付した。同氏の代理人を務めている非営利の法律団体ホイッスルブロワー・エイドの弁護士らはSECに対し、フェイスブックが同社の財務パフォーマンスに影響する情報を開示しなかったことについて調査を開始するよう迫っている。
利用者や公衆、投資家らに向けてフェイスブックが「誤解を招く数々の主張」を行ってきたことに関し、ブルーメンソル議員は公聴会後、連邦取引委員会(FTC)とSECにフェイスブックに対する調査を開始するよう求めると話した。同議員は、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は議会公聴会に出てくるべきだとも述べた。
「この公聴会で語られたことに何か異論があるというのなら、彼こそ前に出るべきだろう。責任者なのだから」とブルーメンソル議員は語った。
(執筆:Cecilia Kang記者)
(C)2021 The New York Times Company
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら