内部告発者語る「フェイスブック」ディープな内情 アメリカ上院議員を驚愕させた議会証言の中身
ホーゲン氏は、フェイスブックのような企業に対し強制的にシステムの内容を研究者に開示させ、ヘイトスピーチなどの有害コンテンツがどこまで蔓延しているのかを調査できるようにする法律を提案している。
「完全な透明性でなければ用をなさない」とホーゲン氏は語り、こう続けた。フェイスブックを分割するという反トラスト法的な措置では、同社のビジネスモデルが抱える核心的な問題に対処することはできない、「放っておけば、フェイスブックは公共の利益に反する選択を続けるはずだ」——。
「民族浄化」までネタにするアルゴリズム
公聴会は「オンラインにおける子どもの保護」と題されていたが、議員らの質問は広範なテーマに及んだ。1月6日の連邦議会襲撃事件につながった危険な言論をフェイスブックがどのように増幅させたのか、新型コロナウイルスとワクチンに関するデマがフェイスブック上でどのように拡散したのか、偽情報がエチオピアやミャンマーの民族浄化をどう助長したのか、という質問だ。
ホーゲン氏はこれらの質問に詳細に答え、フェイスブックの経営陣は彼らがこれまで説明してきたことよりも深く、こうした問題に関知している、と繰り返し述べた。
同氏は、フェイスブックの裏にあるテクノロジーについても専門的な知見を提供し、「エンゲージメント(関心の引きつけ度合い)に基づくランキング」の危険性を指摘した。
これは、フェイスブックなどのSNSがソフトウェアを用いて「いいね!」やシェア、コメントを多く生み出している投稿を優先的に表示させている状況を指す。こうしたエンゲージメントを多く生み出す投稿は、ウソが含まれていたり、分断をあおったり、扇動的なコンテンツであったりすることが多いという。
エンゲージメントに基づくフェイスブックのランキングシステムは、アメリカ国内で有害なコンテンツの拡散を助長しただけでなく、エチオピアなどで「文字どおり民族間の抗争をあおっている」とホーゲン氏は述べた。