思いがけぬ出会いも「ロンドンバス」最高の乗り方 海外渡航歴の長い筆者のオススメとは?
ところが……ローマの道は複雑で、ピアッツァ(広場)から放射状に何本かの道に分かれるパターンが多い。そこでナビゲーションアプリは過ちを繰り返した。
まだ、いろいろな面での精度が低いことはわかっていた。でも、東京ではそこそこ使えていた。なので、ローマでも使えるだろうと考えたのが間違いだった。
ピアッツァから何本かに分かれる道を1本誤ると、とんでもない方に行ってしまう。そんなことを何度も繰り返しているうちに、どんどん時間は経ち、どんどん疲れてくる。
歩くのは好きだし、かなり歩けるとも思っていた。でも、こうなってしまうと楽しいはずもないし、疲れもどっと出てくる。
そこで、潔くナビゲーションアプリを諦め、タクシーを呼び停めればよかったのだが、そうはしなかった。「絶対に歩いて帰ってやる!」と妙に意地を張ってしまった。
で、ますます状況は悪化の一途を。結局、店頭にいた人や地元らしき人にホテル名と住所を見せて……という原始的方法で帰り着いた。2時間程度の楽しい散歩のつもりが、4時間ほどの苦行に変わってしまった。
1990年頃のGPSナビでの体験談
話のついでに、1990年頃……もっとも初期のGPSナビで体験した「すごいナビゲーションぶり!」も、簡単にご紹介しておこう。
「第1世代GPS式カーナビ」装着の試乗車で箱根から東京都心の返却場所に向かった。通いなれた道でナビは不要だったが、性能チェックのため、ナビの指示通りに走った。
当時のGPSの位置精度は100m程度。なので、目的地にピタリ、といかないことはわかっていた。しかし、到着したのは芝浦ふ頭に近いコンテナエリア。酷すぎた。機材に固有の問題でもあったのだろうが、まぁ、そんなことも起こりうる状況だったということだ。
かなり横道にそれたが、ロンドンバスに話を戻そう。
ただ目的地に移動するだけなら、席はどこでもいい。でも、「ロンドンの街を楽しみながら」となれば2階席は必須の条件になる。
さらに「観光目的で乗る」のなら、2階席最前列が特等席。そう、ロンドンバス2階最前列席から眺める光景は、超広角レンズを持ってしても及ばないほどの広がりである。
加えて、高い視点から見るので、同じ景色でも普段とはまったく違って見える。簡単に言えば、目の前がパーッと広がったような「気持ちのいい」見え方なのだ。街の景色を独り占めしているかのような感覚すら受ける。
だから、僕は観光目的で乗るときは、停留所に近づいてくるバスの2階最前列席が空いているかを確かめてから乗る。けっこう空いていることが多い。まぁ、地元の人がわざわざ2階に乗ることはないからだろう。