思いがけぬ出会いも「ロンドンバス」最高の乗り方 海外渡航歴の長い筆者のオススメとは?

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もう一つオススメがある。行く先を決めずに何でもいいから飛び乗ることだ。行きたいところがあればもちろんそこへ行くのは当然。

しかし、行きたいところが決まっていなければ、適当に来たバスに乗るのも面白い。

僕は昔から、旅先での観光地巡りはほとんどしない。いきあたりばったりで、なんとなくブラブラするのが性に合っている。

思いがけない場所との出会い

だから、ロンドンバスでも、あえて行く先を決めずに乗ることが多い。そうすると、思いがけない場所に出会えることになる。

2階最前列席から移ろう景色を楽しみながら、「あっ、ここ!」と思ったらバスを降りる。それは、商店街だったり、住宅街だったり、公園だったり、教会だっり……いろいろだが、そこで降りて散策する。

歴史があろうとなかろうと、由緒があろうとなかろうと……そんなことは関係ない。「いいな!」と感じればそれでいい。僕はこうして、ガイドブックには絶対に載っていないような「素敵な場所」に数多く出会ってきた。

その時注意するのは「乗ってきたバスの路線ナンバーを覚えておくこと」。そうすれば間違いなく出発点に戻れるからだ。

前回ロンドンに行った時、ピカデリーサーカスから、なんとなくウェストミンスター寺院行きのバスに乗った。

寺院に着いて中に入ろうとしら、入場制限で入れない。その日の礼拝は登録された限られた信者だけのものだった。仕方なく帰ろうとしたら、寺院入り口に並ぶ小さな列にいた日本人男性と目が合い声をかけられた。

「私と一緒なら入場できますが、いかがですか」と。もちろんありがたく受けさせていただき、礼拝に参加することができた。それも、英王室の公式行事などで、エリザベス女王始め王室関係者が座るような席で!

なぜそうとわかったのかというと……ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の映像が記憶に残っていたからだ。……厳かな礼拝も素晴らしい体験だった。

なんとなく乗ったウェストミンスター寺院行きのロンドンバスが、一生忘れられない体験をもたらしてくれたのだ。

とにかく、ロンドンバスは楽しい!

● 岡崎宏司 / 自動車ジャーナリスト
1940年生まれ。本名は「ひろし」だが、ペンネームは「こうじ」と読む。青山学院大学を経て、日本大学芸術学部放送学科卒業。放送作家を志すも好きな自動車から離れられず自動車ジャーナリストに。メーカーの車両開発やデザイン等のアドバイザー、省庁の各種委員を歴任。自動車ジャーナリストの岡崎五朗氏は長男。
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