「ハコヅメ」に学ぶ新人が辞めない職場の超理想形 永野芽郁演じる新米が自律自走していった訳

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

思えば、ビフォーコロナの職場では、日中に同じ時間・空間の中で仕事をすることが多く、あるいは職場の飲み会もあって、雑談というようなインフォーマルな形でさまざまなフィードバックがなされていました。そういった意味で、この町山交番のような職場は、われわれが失ってしまったレアな環境ともいえます。だからこそ余計に、彼らの会話を面白く、うらやましく感じるのかもしれません。

昨今、生産性の追求や管理職のプレイングマネジャー化、リモートワークなどにより、日常の中での有効なフィードバックが減っているからこそ、改めてこうしたコミュニケーションの重要性に立ち返る必要があるんでしよう。

雑談ではなく意図的な360度コミュニケーション

360度評価サービスを展開する株式会社シーベースの深井幹雄社長は、「今、フィードバックされるのは何か問題が発生してから。タスクのやりとりはしているが、周囲にどのように受け入れられているかわからないなどの状況が生まれています。この課題に対して、職場に360度フィードバックの導入を検討する企業は増えています」と、話します。

360度フィードバックは、日本では「360度評価」と呼ばれることが多く、”人事評価”で使うことをイメージしてしまいます。「360度サーベイ」といったサービスも日本に導入されてすでに30年が経っていますが、その有効な使い方はなかなか日本企業に浸透してこなかったのは、評価というイメージへのアレルギーだったように思います。

360度フィードバックは、本来は上司からの観点だけでなく、一緒に働く同僚、あるいは部下からフィードバックを得ることで、仕事中の行動の癖を知ることができる“自分を知る鏡”です。

川合が成長していった「ハコヅメ」の環境を、コロナ禍の職場で再現しようとすると、もはや自然発生的な雑談に依存することが難しく、意図的にタテヨコナナメのコミュニケーションを促す必要がありそうです。こういうアプローチが、今求められているのかもしれません。

平賀 充記 ツナグ働き方研究所 所長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらが あつのり / Atsunori Hiraga

人材開発コンサルタント/組織コミュニケーション研究家/若者キャリア研究家。1963年長崎県生まれ。同志社大学卒業。1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。主要求人媒体の全国統括編集長を経て、2012年リクルートジョブズのメディアプロデュース統括部門担当執行役員に就任。2014年ツナグ・ソリューションズ取締役。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。著書に『非正規って言うな!』(クロスメディア・マーケティング)『神採用メソッド』(かんき出版)『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。
ツナグ働き方研究所オフィシャルサイト「ツナケン!」:https://tsuna-ken.com/

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事