「ハコヅメ」に学ぶ新人が辞めない職場の超理想形 永野芽郁演じる新米が自律自走していった訳

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このように、川合の成長には、ペアを組む直上司の藤だけでなく、上の上から見守る伊賀崎、ナナメの関係からフォローする源や山田も大きく寄与していました。

もちろん、直上司からのアドバイスだけでは客観性や妥当性に欠けるケースもありますから、多様な関係性からの多面的なフィードバックが有効であるのは言うまでもないでしょう。さすがに藤も万能の神様ではありません。複眼的なアドバイスによって、本人が素直に周囲の声を聴こう、自分の強みを伸ばし行動を改善しよう、と行動変容への意識が生まれやすくなります。

町山交番の心理的安全性

しかし、それよりも大きな意味を持つのが、新人が感じる“組織への心理的安全性”ではないでしょうか。空気を読むことや正解探しを続けてきた学生時代から、右も左もわからない社会人になって、一気に自信を失ったり、仕事の意義を見いだせなくなったりする新人が多いのは無理のないこと。タテヨコナナメといった全方向からのフィードバックは、「あなたのことを見ているよ」という強いメッセージとなり、新人にとっては存在を認められているシグナルになります。つまり自分に居場所がある=組織の心理的安全性を感じることにつながるのです。

川合「私もイケメンの彼氏が欲しいですーっ」
藤「その欲望、勤務中に出す声量じゃないでしょ」
川合「ムリですぅー、抑えられません!」
(5話)
川合「源さん、ホントもう切腹覚悟で言うんですけど…」
源「なにそれ、怖い」
川合「トイレ行きたいんですけど、いいですか」
源「おまえの切腹、カジュアルすぎじゃね。武将か!」
パトカーで管内を巡回した際のやり取り(6話)

脚本の面白さもありますが、ここまで冗談ぽく会話ができるのは、それこそ心理的安全性が担保されている証拠です。

組織開発と人材開発の観点で「ハコヅメ」を点検してみると、登場人物の笑いを誘う掛け合いの根底に、チームとしての心理的安全性がしっかり根付いていること、タテヨコナナメの自然なコミュニケーションが有効に機能していることがわかります。

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