オンライン会議増で要注意「イヤホン難聴」の実態 早期発見のための「チェックリスト」も紹介

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――そもそも、なぜイヤホンで難聴になるのでしょう。

まず、イヤホンに限らず、大きな音を長時間聞くこと自体が耳に悪い。

内耳には音を感知する「有毛細胞」というものがあります。字のごとく、音の振動によって「感覚毛」という毛が揺れて、音を拾うのですが、大きな音を長時間聴いていると、この感覚毛が抜けたり、有毛細胞が壊れて音を感じ取れなくなる危険があります。

――毛が抜けるって、嫌な響きですね……。

音の出力にはスピーカーやヘッドホン、イヤホンなどがありますが、この中で音波をモロに受けるのがイヤホンです。スピーカーなら音は四方に拡散します。ところがイヤホンになるとすべての音が耳の中に響き渡り、有毛細胞がすべての音波を受け止めるわけです。これが耳に良いわけがありません。

――抜けた感覚毛はまた生えてきますか?

一度壊れた有毛細胞は治療しても元に戻らないし、感覚毛が新しく生えることもありません。

1週間の点滴治療が完治への近道

――抜けたら最後(泣)。ではどうやって治療するのでしょうか?

医師によっても違いますが、ステロイドの飲み薬や点滴が一般的です。ただいちばんいいのは1週間ぐらい入院して、毎日点滴を受けることです。芸能人や医者は突発性難聴になる人が多い職業ですが、彼らはどんなに忙しくても入院することが多い。入院して点滴するのが最も効率がいいからです。

――1週間も入院するんですか!? 思ったよりも重病ですね……。早く退院するためにも早期発見が大切なんですね!

いいえ。早期発見をしても入院期間は短縮しません。イヤホン難聴の自覚症状には段階があるのですが、早く治療すれば治る可能性が高くなるということです。

半日続く耳鳴りは要注意!

――イヤホン難聴にはどんな段階があるのですか。

最初は耳鳴りです。1日数十分程度の耳鳴りなら問題ありませんが、イヤホンを使って耳鳴りがしたり、半日続くようなら危険信号です。

次のステップは耳閉感。山に登ったり、飛行機に乗ると耳の奥が詰まったようになることがありますよね。あれと同じような症状が現れます。これも短時間で治れば問題ありませんが、半日近く続くようなら病院に行きましょう。この段階できちんと治療をすれば、治る可能性はあります。

そして最後が難聴です。片耳の音が小さく感じたら、もう難聴です。いち早く病院に行ってください。進行すると治らなくなるので、様子を見ている余裕はありません。

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