尖閣のためにロスを危険に晒すべきではない

海上作戦では米中の協調も必要

2014年6月に行われた米・フィリピン両軍合同演習の様子。明示はしていないものの、仮想敵は海洋部に膨張する中国だ(写真:ロイター/アフロ)

東シナ海・南シナ海において、中国と近隣諸国の多くを巻き込む領土摩擦が続いている。これに応じて、米国は明確な地域戦略を示す必要がある。自国の利益や同盟関係へのコミットメントを維持するだけでなく、対立や紛争の回避もしなければならない。

しかし、その実行は難題だらけだ。係争中の島々の領有権をどの国に認めるべきか不明確だからだ。中国は「接近阻止・領域拒否」の能力をつけるため、先進的な精密兵器を開発している。米国は同地域の基地や海軍が脆弱になってきたことにどう対処するか、考えなければならない。

中国は先進的な武器を開発

米国と同盟諸国は、中国が平和的に発展したがるように、経済的、外交的、時には軍事的な手段を取ってきた。一方で、そうした関与策が失敗した場合に備えて強固な軍事力も維持してきた。

だが、中国は精密対艦ミサイルなどの先進的な武器を開発し、保持している。米軍は、中国沿岸部近くで作戦行動しても何の制約も受けないほどの(軍事的に)圧倒的な優位を何十年も保ってきたが、今後も維持できるとは信じがたい。

外国からの介入に対する中国自身の脆弱さの歴史を考えると、米国が圧倒的な攻撃優位性を一方的に維持しようとすれば、中国の軍拡を招いて地域の不安定さが増すばかりだ。

米国の戦略家の一部は、技術的な解決を提唱している。「エアシー・バトル(空・海戦闘)」という概念で、精密攻撃兵器の急増に対して防御と攻撃の手段を組み合わせることを示唆している。

次ページ一部の作戦に中国を取り込むべき
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
無神経すぎる人に「ちょっとだけ言い返す」技術
無神経すぎる人に「ちょっとだけ言い返す」技術
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT