日本航空とポケマルが協業「青空留学」の正体

生産者、航空業界、学生の三者が協力しあう

「青空留学」の受け入れ先の一つである、熊本県の生産者の漁業の様子。学生のフィールドワークは9月からの予定だったが、緊急事態宣言の延長により延期に。写真は事務局で下見をしたときのもの(写真:ポケマル)
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パンデミックではとりわけ食にまつわる業種や、観光、交通機関などが大きな打撃を受けている。そして見えない被害を受けているのが、成長過程にある学生だ。本来ならさまざまな体験をして視野を広げるべき学生時代に、人と会えない状況が続いていることは将来にも禍根を残しかねない。また新卒の雇用を控える企業も多い中、将来への不安、焦燥感も大きいことだろう。

今、“食”を根底で担う生産者、航空業界、そして学生の三者が協力しあって解決策を探っていこうというプロジェクトが進行中だ。

ポケットマルシェ(ポケマル)と日本航空が共同で行う「青空留学」である。

都市と地方の間に新たな人流・物流を生みだす

プロジェクトは、大学生が地域の生産者の間に入り込み、現場を体験しながら地域の課題解決に協力するというもの。ポケマル、日本航空が取り組む新たな計画「Japan Vitalization Platform」の端緒となるプロジェクトで、都市と地方の間に新たな人流・物流を生みだして日本全体の活性化を目指す。

ポケットマルシェはアプリを活用し、生産者と消費者を直接つなげる産直サービス。代表取締役である高橋博之氏は日本全国の生産現場を見てまわり、東日本大震災の復興支援にも関わるなかで、「関係人口」という考え方を提唱した。都市と地方の間に人間関係をつくり、人と物を巡らせることで新たな共生社会を目指すというものだ。

実はこのたびの「青空留学」というプロジェクト、ポケマルの代表取締役である高橋氏と、日本航空の一社員である松崎志朗氏の個人の結びつきにより膨らんできたものだという。

全国の生産の現場を巡ってきた高橋氏は、後継者不在といった「人手不足」が地域の課題を根深いものとしていると語る。そして今、コロナにより出荷が激減したことが追い打ちをかけているそうだ。

いっぽうで、2年間大学生と座談会を行ってきた中で、学生が抱える“現実感の喪失”に気づいた。

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