日本航空とポケマルが協業「青空留学」の正体 生産者、航空業界、学生の三者が協力しあう

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「外部のアセスメント結果を見せてもらったのですが、JALの人材はマニュアルは完璧にこなすが、変革、イノベーションを起こす力に乏しいということだったんです。これがわが社の課題で、放置するとまた同じ道を歩んでしまうと危惧しました」(松崎氏)

そこで2017年、社内ベンチャー「W-PIT(ワクワク プラットフォーム イノベーション チーム)」を立ち上げた。社員一人ひとりがワクワク=自己実現や目標に向けての意志をもとうという組織で、「異業種との共創」を事業の特徴とする。現時点で142名の社員が参画し、食べ物やライフスタイル、スポーツなどとコラボした事業を立ち上げている。これまで「呑むためだけの日帰り旅」「サウナ専用パッケージツアー」などを企画したほか、「JALサウナ部」「サウナ部アライアンス」など、社内外に人のつながりを構築してきた。

そうした取り組みが徐々に形になってきていた2019年の年末に高橋氏との出会いがあった。そして両者が一つの目的で意気投合することになるのが2020年の秋。日本航空で地域事業本部を立ち上げたことをきっかけに、高橋氏に相談を持ちかけた。

「多拠点で生きる社会」の実現を目指す

そして、地方と都市の間に人流・物流をつくり、日本を元気にしていこうという取り組みを具体的に検討し始めたという。それが冒頭にも触れた「Japan Vitalization Platform」である。

2025年までのビジョンとして、10000名・100社が参画するコンソーシアム(共同事業体)に拡大させ、さまざまな共創活動を通じ、居住・移動、教育等のイノベーションを生み出すことで「多拠点で生きることが当たり前である社会」の実現を目指すという。

第一弾プロジェクトにおける青空留学の、それぞれのプレイヤーの役割分担は次のとおりだ。ポケマルは協力生産者のアレンジや学生募集を担当し、事務局の人件費や講師謝礼等の経費を受け持つ。日本航空は移動手段として航空券を提供するとともに、学生と一緒になって課題解決に取り組む伴走者として職員を派遣する。学生は現地交通費、宿泊費など実費の一部を参加費用として負担することになっている。

ただし日本航空としては長い目で見て、主体的にプロジェクトに参加することに意義を感じているという。

「航空券の提供だけなら協賛でいいわけですが、社員が学生といっしょに地域に飛び込むことに意義があります」(松崎氏)

具体的には、松崎氏をはじめとする青空留学事務局に参加する社員。また、ゆくゆくは、地方支店にて長期的に地域との人間関係を構築してきた社員も、地域との関係づくりという面で重要だという。

さらに、2020年10月1日、地域事業本部の発足に伴い新設された業務、「ふるさとアンバサダー」や「ふるさと応援隊」も広い意味ではプロジェクトの参加者だ。

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