ふるさとアンバサダーは2020年8月、ふるさと応援隊は同年12月に結成された役割であり、同社にとって大きな命題である「地方創生」を具体的に進めて行く。コロナ後も継続していく取り組みだそうだ。
同社では客室乗務員約8000名が勤務しているが、うち約20名を地域勤務の「ふるさとアンバサダー」と位置付けた。地域に住まい、まち起こしなどの地域課題解決にあたる人材だ。また約1000名は「ふるさと応援隊」。客室乗務員の仕事と並行しながら、月の勤務時間の3割程度は地域のための業務にあたる。
客室乗務員は、旅客の安全を確保し、快適な旅を提供するために、厳しい試験と訓練をクリアしてきたプロフェッショナルだ。さらにさまざまな客に相対する中でコミュニケーション能力、社会の動きを見極める目利き力も磨いてきている。同社では、そうした能力が地域活性化に役立つと考えた。具体的には、各地の生産物に価値を加えて商品化し、販売ルートを構築するなどが考えられる。
「青空留学事務局にふるさとアンバサダー、応援隊の社員も数名います。彼らに様子をきくと、純粋に楽しいと。自分たちの強みを活かし地域に貢献できているという実感を感じているようです」(松崎氏)
日本航空が新規事業に取り組む大きな理由
なお、日本航空はコロナの直撃を受け、2020年4月1日〜2021年3月31日の旅客数は96%の減、売り上げは前年同期比65.3%の減となった。そうした苦境にありながらも新規事業に取り組む大きな理由は、地方の衰退はすなわち、国内移動の減少であり、航空事業の衰退に直結すると見ているからだ。
2021年〜2025年度中期経営計画では「ESG経営の推進」として、地域創生事業への注力を掲げている。
学生の高木さん、ポケマルの高橋氏、日本航空の松崎氏。三者が抱く未来に向けた思いは、地域の課題解決、そして日本全体の活力アップにつながるのだろうか。
学生の高木さんは、将来への期待を次のように語っている。
「“よそ者”の目で魅力を再発見し、地域を元気にする手伝いができる。そしてSNSの活用をはじめとした新しい価値観を取り入れながら、現状を変えて行くのに役立つのではないかと思っています。ただ、地域で育まれてきた伝統と融合しながら進めていきたい。今回のプロジェクトをきっかけに、全国各地に同じ目的を持つ仲間がちらばって、地域活性化の拠点ができます。自分の地域に誇りを持てる人も増え、日本全体が変わっていくはずです」
コロナに関しては、人と会えないのは淋しいが、イベントなどがオンラインになることで、興味のあることにアプローチしていく方法が増えたとプラスに捉えている。
困難な環境にあっても、学び、成長し、状況を変えて行こうとする彼ら。その正のエネルギーで、ぜひ大きなスパイラルを生みだしてほしい。
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