日本よりも小国のスイスが超豊かな国になれた訳 物価も世界一「ビッグマック」の価格はなんと倍

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――資産を安全な場所へ避難させるためですよね。

渡邊:はい、正解です。多くの人は、プライベートバンクと聞くと「資産をものすごく増やしてくれる」というイメージを持っていますが、それは間違いです。プライベートバンクの目的は、資産を安全に保全することです。そこから、スイスや欧州の資産運用は、資産を減らさないことに重点を置いた、守りの資産運用の文化が生まれたのです。

――なるほど、そうだったんですね! スイスの資産運用が、守りに重点を置いている理由がわかりました。

渡邊:世界中の富裕層から預かった大切な資産を、下手にリスクを取って減らしてしまっては大変です。安全なスイスに避難させたにもかかわらず、実はもっと減っていた……なんてことになったら、本末転倒ですからね。

――でも、何もしないで保管しているだけでは、お金の価値が減ってしまう場合もありますよね? インフレとかもそうですし、モノの価格が上がるとお金の価値が下がるって、先ほど教えてもらったばかりですが……。

スイスのビッグマックの価格はなんと…

渡邊:そうです。安全に、着実に増やさないと、守ったことになりません。ちなみにスイスは、世界でいちばん物価が高い国といわれています。物価を測る指標として、1986年にイギリスの経済誌『エコノミスト』が考案した「ビッグマック指数」というものがあります。ご存じですか?

『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

――ビッグマック指数? あのマクドナルドの?

渡邊:はい、マクドナルドのビッグマックは、世界中で販売されています。同じ材料を使った商品がいくらで販売されているのかを比較することで、物価や購買力を測ることができます。現在、日本のビッグマックは390円ですが、スイスのビッグマックは6.5スイスフラン(CHF)で販売されています。2021年5月現在のスイスフランの為替レートが、約121円ですので、スイスのビッグマックは日本円換算で787円もするんです。

――そんなに高いんですね! つまりスイスでは、生活していくだけでも多くのお金が必要になるということですか?

渡邊:はい。物価が高いスイスでは、お金の置き場所を真剣に考えないと、大切な資産が減ってしまうのです。だからこそ、スイスでは資産形成は必須のスキルといえるでしょう。

渡邊 一慶 ファイナンシャル・プランナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ かずよし / Kazuyoshi Watanabe

株式会社マネージュ代表取締役社長、ファイナンシャル・プランナー、マネー教育アドバイザー。1983年、愛知県生まれ。関西外国語大学を卒業後、三菱UFJ証券に入社。アメリカのシティバンク銀行からヘッドハンティングされて転職。その後、プライベートバンク世界最大手・スイスのUBS銀行へ転職を決断。クライアントアドバイザーとして、金融資産2億円以上の富裕層顧客の資産管理を担当。2016年に独立して現職。日本では珍しいマネー教育に特化したファイナンシャル・プランナーとして活動。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事