親に合う介護施設選びは「昼食試すのがコツ」な訳 その日は突然来る!知っておきたい基礎知識

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前述のAさんからのアドバイスとしては、例えば、入居の説明をするスタッフは、現場での介護をしている人とは限らない。施設へ直接足を運んで見学するのは必須。介護するスタッフの様子や入居者が楽しく過ごせているかどうかをきちんと目にすることで、実際に入居してみたら説明と違ったということが防げるからだ。

おすすめは、昼食のお試しをすること。食事の味や量を確認することができ、食事介助の様子を知ることもできるからだ。また、ショートステイを利用するのもいいだろう。宿泊することで、日中わからない夜の介護体制などを確認することもできる。

また、想定外の費用にも注意が必要という。Aさんが驚いたのは空き家となった実家の管理費だ。庭付きの一戸建てのため、庭木の手入れをしたり、家の傷んだ部分を修繕したりとこまごま費用がかかり、年間の維持費が40万円程度かかるという。

Aさんの場合、毎月かかる施設費用も含めて母の年金と資産から捻出できているため、自身の負担はないそうだが、必ずしも子どもが費用を負担せずにすむとは限らない。施設に入居した場合、親の資産で賄うことが難しくなったら、実家を手放すという選択肢も考えなくてはならないだろう。

最低3カ所は足を運んで確認する

最後にまとめをしておこう。介護施設は、公的施設と民間施設の2つがある。特別養護老人ホームなどの公的施設が割安であるが、入居希望者が多く入居するのはかなり難しい。そのため多くの場合、民間の介護施設を選択することとなる。

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民間の施設の中で、比較的安価なサービス付き高齢者向け住宅という選択肢もあるが、「終の棲家」として考えるなら、介護付き有料老人ホームが適切といえるだろう。

介護付き有料老人ホームは、入居一時金を支払えば、月額20万円程度の費用で済むこともあるが、入居一時金なしを選択すると、30万円以上の費用がかかると覚悟しておくこと。

また、民間の介護施設は、設備やサービス体制などでもかかる費用はまちまち。なるべく介護される人が快適に暮らせるように適切な施設を選びたいところだが、支払いが滞らないように管理することも重要となるため、お財布事情も踏まえて、施設選びをするようにしたい。

また最低3カ所は、本人と家族で直接施設へ足を運び現場の状況をしっかり確認するといいだろう。

池田 直子 特定社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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いけだ なおこ / Naoko Ikeda

東京経済大学短期大学部卒業。大手損保会社勤務を経て、「いけだFP社会保険労務士事務所」開業。2002年にヒューマン・プライムを設立し、代表取締役に就任。2008年に社会保険労務士事務所「あおぞらコンサルティング」を開所し、所長就任

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