親に合う介護施設選びは「昼食試すのがコツ」な訳 その日は突然来る!知っておきたい基礎知識

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要介護度が高い場合、24時間体制で介護サービスを受けられる施設の選択となる。なるべく費用を抑えたいと思うなら、公的施設の特別養護老人ホームが適しているが、前述したとおり、入居希望者が多くつねに順番待ちでなかなか入居が難しい。そのため、多くの場合民間の「介護付き有料老人ホーム」を選択することになる。

介護施設への入居の際に、必要となる費用として「入居一時金」がある。この費用は、月額利用料を前払いする仕組みのため、入居一時金を支払うと、その分月額利用料を抑えることができる。

入居一時金なしのプランがある施設も

多くの施設で入居一時金が必要となるが、入居一時金なしのプランを選択することができる施設もあり、入居一時金なしにすると、その分月額利用料が高くなる。また、入居一時金を支払わない場合でも、50万~100万円程度の「保証金」を支払うことが多いが、このお金は退去時に戻ってくるお金だ。

入居一時金は、数百万~数千万円の高額な出費になるため、入居一時金をありにするのか、なしのプランを選ぶのか悩みどころだ。下の表は入居一時金2500万円を支払った場合と、入居一時金を支払わなかった場合の損益分岐点を表したもの。このケースだと、4年半以上入居すると入居一時金ありのほうがなしの総支払額を下回るという結果になった。

(出所:『離れて暮らす親に介護が必要になったときに読む本』)

このことから、入居期間が長くなるなら入居一時金を支払うほうが費用を抑えられるということがわかる。ただ、高額な一時金を支払うと資産が減って不安になることもあるだろう。親の健康状態や資産状況を踏まえながら、入居一時金の有無は判断するようにしたい。

施設介護の費用は、入居一時金を支払うと、月額費用の一部を前払いしている形になるため、その分月額費用は抑えられるものの、月20万~30万円程度はかかる。介護される人の要望を叶える施設を選びたいものだが、設備の充実度やサービスが増えていけば、その分費用も増していく。

支払いが滞らないように管理していくことも大切なので、支払い続けていけるかどうかの費用が確保できるのかをきちんと確認しておこう。

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