売れ筋飲料「水・コーヒー・茶系」が上位独占する訳 選ばれる理由は「安心」と「通年で楽しめる」

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緑色はほとんどが緑茶で、茶色は紅茶、ウーロン茶、麦茶などが入る。これ以外にブレンド茶もあるが同カテゴリーはなく、「爽健美茶」(日本コカ・コーラ)と「十六茶」(アサヒ飲料)の商品群、だと聞いた。

茶系の緑色で、最強は「お~いお茶」(伊藤園)。緑茶市場を切り開いた先駆者だ。これを「綾鷹」(日本コカ・コーラ)や「伊右衛門」(サントリー食品)が追う構図となっている。

一方の茶色は「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)が強く、「健康ミネラル麦茶」(伊藤園)が続く。かつて人気だったウーロン茶は低迷気味だ。茶系飲料の横顔は紙幅の関係もあり後編で詳しく紹介したい。

上位ブランドを持つメーカーは自動販売機市場にも強い(筆者撮影)

「安心」に加えて、「通年でも楽しめる」 

上位ブランドに共通するのは、まずは安心感だ。ふだん飲み慣れた商品以外に、新商品でも「このブランド(商品)なら外れがないだろう」という安心・安全志向がある。

「最近は新商品も、イメージが湧く味しか支持されない」という話は、食品業界ではよく聞く。100円台で買える商品でも「失敗したくない」消費者意識は強い。

もうひとつの共通点が、ホットでもアイスでも楽しめる通年性だ。春夏秋冬の四季がある日本では、寒くなれば温かいドリンクが好まれ、暑くなれば冷たいドリンクが好まれる。

「コーヒーと茶系飲料が強いのは、長年ホットでもアイスでも飲まれてきたから」とも言われる。水の場合は、冬は常温で飲む消費者も増えてきた。

先の見えないコロナ禍が長引き、消費者の息抜きも「身近な気分転換」が続く。後編では炭酸飲料と茶系飲料を中心に、さらに消費者心理に迫ってみたい。

晴れて気温が上がると、清涼飲料の売れ行きも伸びる(筆者撮影、写真はイメージです)
高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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