松本人志にフジテレビとTBSがこんなにも頼る訳 局を挙げた大型特番のオファー集中に映る危機感
一方のフジテレビは、昨年10月と今年6月に「まっちゃんねる」、昨年11月に「まつもtoなかい~マッチングな夜~」、昨年6月、12月と今年5月に「IPPONグランプリ」、今年1月に「人志松本のすべらない話」、今年4月に「HEY!HEY!NEO!MUSIC CHAMP」を放送しました。
レギュラー番組でも、TBSは「水曜日のダウンタウン」、フジテレビは「人志松本の酒のツマミになる話」「ワイドナショー」を放送していますし、出演番組のほとんどを両局が占めています。
松本さんは「ワイドナショー」で「FNSラフ&ミュージック」について、「(フジテレビは)ズルイですよ。僕はホント『端っこで端っこでたまに何かちょっと言うくらいで』ってずっと言ってたのに、本番が近づいてくると外堀を埋めてきよる。気がついたら俺の負担がものすごかった」とボヤいていましたが、このコメントこそ頼られていることの証しでしょう。
明石家さんまさん、内村光良さん、爆笑問題ら大物MC、さらに、有吉弘行さん、くりぃむしちゅー、バナナマン、サンドウィッチマン、千鳥ら実力者たちがいる中、なぜTBSとフジテレビはここにきて松本さんの出演特番ばかり増やし、何を求めているのでしょうか。
表現の幅がせまくなっていく危機感
前述した松本さんの「もう数年で辞めるんで」という発言は、「BPO(放送倫理・番組向上機構)青少年委員会が“痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ”について審議入りすることを決めた」というニュースに対してのものでした。松本さんは最後に「この後、出てくる人たちのことを考えると、やっぱり選択肢は広いほうがいいのかな」と語っていましたが、このコメントに現在のバラエティが置かれている難しさがにじんでいます。
BPOのホームページには、「放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関です。主に、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促します」と書かれていますが、現実として撮影現場は表現の幅が狭くなっていく一方。
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