億ションは「買うよりも売るほうが難しい」理由 中古に1億円以上払う層が選ぶエリアは限定的

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実際、億ションの取引事例の過半数はタワー物件で、総戸数200戸以上の大規模物件だ。そうした物件は「地域一番」であるケースが非常に多い。「地域一番」の最たるものが駅直結や駅に最も近いことだが、これと同様に決め手になるのが、大規模再開発ということになる。

浜松町駅の東京ツインパークスも旧JR汐留貨物駅跡地再開発の中の分譲マンションである。この他、品川Vタワーは品川駅東側の大規模再開発である「品川グランドコモンズ」の中にある。白金アエルシティ白金タワーは白金高輪駅直結の再開発、恵比寿ガーデンテラス壱番館は「恵比寿ガーデンプレイス」、センチュリーパークタワーは「大川端リバーシティ21」、代官山アドレスも同名の再開発、東京パークタワーは「ジェイシティ東京」の再開発である。

「人気億ション」3つの要件

そうなると、売れる億ション選びには以下の3つの条件が重要になるということだ。

(1) アドレス(港区・渋谷区、エリアイメージがこれと同等以上)
(2) 超稀少なロケーションで地域一番と認められること
(3) 都心寄りの駅近大規模再開発のタワー

これらに該当する物件は非常に少ない。中古として購入するなら、過去の成約事例がいくつあるか調べてもらおう。相場が高騰したとはいえ、それが少ないようであれば、買うことはできても売ることができないと言うことを意味する。

沖 有人 不動産コンサルタント

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おき ゆうじん / Yujin Oki

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人系・不動産系のコンサルティング会社を経て、1998年に現スタイルアクトを設立。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合し、日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティング・事業構築を得意とする。設立当初から運営する分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の会員数は30万人以上。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書)など著書多数。

 

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