億ションで失敗しない方法は、まずは立地にこだわることだ。マンションは「1に立地、2に立地」である。だからこそ、億ションもエリアを選ぶことが最も重要になる。その立地とは「アドレス」(住所)を意味する。その意味で、中古成約事例の多いアドレスを突き止めればいいことになる。
中古億ションの成約事例の分布は偏っている。行政区割合の1位は港区、2位は渋谷区、3位は千代田区で、この上位3区で過半数を占めるという事実から、億ションはこの3区に絞った方が無難である。
億ションを買う人はたいていの物件が買えるので、どんなに立派な建物でもお眼鏡に適わない立地には見向きもしない。常に港区の高級住宅地である3A(青山・麻布・赤坂)と比較されると思った方がいい。こうした場所に勝つ要件を持ち合わせた立地の物件しか億ションでは売れないと思った方がいい。
その第一要件がアドレスなのである。たとえば同じ港区でも前述の3Aと品川~浜松町駅の海側のエリアでは、1億円以上で売る難易度がまったく異なる。億ション購入者に対する「アドレスの訴求力」が違うのだ。渋谷区でも駅によって億ションが売りやすい駅とそうでない駅がある。
山手線の渋谷、恵比寿、原宿駅から内側の表参道や広尾はいいが、外側で億ションを買いたいという人は限られる。何でも選べるということはそういうことだ。そうなると、億ションで「失敗しない」駅は限定される。広尾、麻布十番、赤坂、表参道、神谷町、白金高輪、白金台、半蔵門などの駅はその代表格に当たる。
面積を狭めて「1億円未満」に抑えるのも手
中古成約のエリア分布に対して、新築の供給はかなりバラける。これは売る側の事情であって、買う側の事情ではないので、注意を要する。中央区・品川区などは相対的に新築が多いが、中古になって1億円以上だと顧客がつきにくい。新築は多大な広告費を投下して集客するので売れても、中古はそういう訳には行きにくい。
この他、文京区、杉並区、大田区、台東区などでは、億ションは売却時に苦戦を強いられる可能性がある。たとえいい立地でも面積を狭めて1億円を超えない水準の価格に抑えるのが賢明だ。
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