家賃安くても「プロパンガス物件」要注意な訳  意外と知らない「都市ガス」との価格差は約2倍

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mits / PIXTA

プロパンガス(LPガス)料金は実は都市ガス料金の約2倍高い。光熱費は家計支出の一定割合を占めるので、誰もが敏感になりやすいが、このことは意外と知られていない。

2019年に日本生活協同組合連合会(生協)が行った『電気・ガス料金調査』によると、戸建の場合、都市ガスが1㎥当たりの料金が165円であるのに対して、プロパンガスは同300円と1.82倍となっている。集合住宅(マンション)の場合、都市ガスが1㎥当たりの料金が176円に対して、プロパンガスは340円と1.93倍となっている。

単身者なら月2000円以上の差に

プロパンガスの関東地方の一般小売価格は、使用量5㎥/月の場合、4,592円だ(基本料金、消費税込、一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターの3月速報値)。

5㎥というのは単身世帯の利用量に相当する。これと同じ熱量を都市ガスで使用したとすると、料金は2264円となり、月々2328円安くなる*。

*都市ガスとプロパンガスはカロリー(熱量)が異なるため(都市ガスが約10,740kcal/㎥、LPガスが約24,000kcal/㎥)、LPガスの使用量を2.23倍し試算。上述の生協調査でも同じ倍率を使用。都市ガス料金は東京ガスの2021年5月検針分、東京地区等の料金。

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単純計算で1年間に2万7936円と結構大きな金額だ。しかし、これは平均値でプロパンガスは自由料金制なので、1㎥あたり600円という割安なケースも存在すれば、さらに高額なケースもあり得る。

一般的に、プロパンガス物件の方が都市ガス物件よりも駅から離れるなどの立地が良くないことが多い。例えば、埼玉県の単身者用ワンルームの平均家賃は6万円台なので、月2000円以上の差であれば、駅に3~4分近づくことができる。駅から遠いプロパンガスのアパートと駅に近い都市ガスのアパートの出費は結局同じだと考えると、物件の探し方が変わってくる。

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