「悩む時間ムダ」と言う東大生が教える不安解消法 「気づいたら時間がなくなっていた」は減らせる

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僕は大学受験のときに「第一志望(東京大学)に合格した場合」「第2・第3志望に合格した場合」「全部に落ちた場合」の3つに分けて、「どうしてこうなるのか」と、それぞれの未来へ進む要因を考えました。

要因を考えるといっても、想定したパターンすべてに対して行う必要はありません。自分が失敗だと思う未来に対してのみ、シミュレーションを行えばよいのです。不安は「失敗した未来」に対して感じるものであり、「成功した未来」に対して不安を覚えることはないためです。

僕の場合の「成功」は「大学に進学すること」でした。なので、第2・第3志望の学校の合格も成功パターンとして考えていました。

ですから、「全落ちしてしまった場合」のみに絞って、その要因を分析しました。この要因は、そのまま「自分にはどのような問題点や欠点があるのか」という課題につながります。

無限に「なぜ?」を重ねて突き詰める

要因分析では、まず「なぜ失敗するのか」という問いから初めて、無限に「なぜ?」を重ねます。この「なぜ?」は、解答の理由付けに自分の感情しか出てこなくなるところまで行います。こうして突き詰めていき、漠然とした失敗要因や悩み、なるべく具体のレベルに落とします。

受験生時代の僕は「なぜこのままでは全志望校に落ちるのか?」から疑問を始めました。すると、「それはどこの学校にも合格することができないためである」という答えが出てきました。

この答えに対して「なんで?」を突き付け、さらに得られた答えに「なんで?」と問いかけるということを繰り返すのです。つまり、以下のようになります。

Q.なぜ合格できないのか?
A.それは点数が取れないからである
Q.なぜ点数が取れないのか?
A.それは実力不足だからである
Q.なぜ実力不足なのか?
A.それは自分の苦手教科の点数が足を引っ張るためである
Q.なぜ苦手教科が足を引っ張るのか?
A.苦手教科を勉強していないからである
Q.なぜ勉強しないのか?
A.いくら読んでもわからなくてイヤになるからである
Q.なぜ日本語で書いてあるはずの教科書の文章がわからないのか?
A.意味不明な単語や概念、考え方があるからである
Q.なぜ意味不明なのか?
A.調べていないからである
Q.なぜ調べないのか?
A.面倒くさいからである

というようにして、要因分析を進めることができます。

次ページただし、この例だけでは不十分
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