西武園「わらしべ作戦」で狙う遊園地「世界一」の座

西武HD後藤社長✕刀・森岡CEOスペシャル対談2

西武園ゆうえんちの夕日の丘商店街では「商店街の住人」との会話も楽しめる(写真:西武ホールディングス)
埼玉県所沢市にある西武園ゆうえんちの来場者数はバブル期に年間200万人近くまで達していたが、2018年には50万人を切ってしまった。危機を打開するために西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)復活の立役者である株式会社刀の森岡毅氏に再建を託した。だが、予算は100億円。USJならアトラクションを1つ導入するだけで使い切ってしまう額である。「1桁足りないのではないか」と心配した後藤社長だったが、森岡氏は「やりたい」と快諾した。予算の制約がある中でどうやって2021年5月のリニューアルオープンを迎えたのか。2021年8月30日公開の前編に続き、西武HDの後藤高志社長と刀の森岡CEOによるスペシャル対談の後編をお届けする。

西武園が抱える「3つの課題」

――西武園ゆうえんちのリニューアルプロジェクトにおいて、どのような点が課題となったのですか。

森岡:3つある。ブランドの特徴がないことがまず挙げられる。ブランドの特徴を作るためにはものすごく予算がかかる。強烈なキャラクターを借りてきてパークを作り直したらパークの顔はできるが、桁違いの予算が必要になる。でも私たちにその選択肢はなかった。「やりたい」とは言ったものの、低予算で実現できるアイデアがすでにあったわけではない。

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2番目の課題は所沢という場所だ。西武鉄道の沿線上ではすごく便利だが、集客施設は商圏からいかに多くの方により多く来場していただくかが勝負なので、西武沿線以外の関東全域からお客様を引っ張ってくる強さを持たせなければならない。東京の中心部から所沢までには精神的距離があり、便利に所沢まで行けるという印象を持っている人は実は関東の数割しかいない。この物理的、精神的な距離をどう埋めるのかも課題だった。

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