外資が好きな都市、見捨てた都市は? 最新版「外資系企業・本社所在地ランキング」

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2位の千代田区(東京)も強い。丸の内、永田町、大手町など国内企業にとってもメジャーなエリアを有し、皇居の周辺ということで環境もよい。内幸町や紀尾井町で一流ホテルのビルに入っている外資系企業も多い。

ただし、丸の内トラストタワー、グラントウキョウといったいかにも外資好みの新しいビルを擁しながら、社数は25年前と比べると148社、割合にして22%も減少している。

千代田区の社数減の要因は?

丸の内トラストタワーは2008年、グラントウキョウはサウスタワー、サピアタワーが2007年竣工である。10年以上に及んだ丸の内、大手町の再開発で移転を迫られた外資を呼び込む目論見が、外資側ではリーマン・ショックや大震災でBCP(事業継続計画)構築を迫られ、跳ね上がった賃料が痛かったというところか。

1990年代の『外資系企業総覧』で千代田区が本社のビル名を眺めると、外資が入りそうな名前はAIGビルくらいのもので、はっきり言って漢字が多い。霞が関ビル、秀和紀尾井町TBRビル、富国生命ビル、日比谷国際ビル等が当時の外資の人気ビルだ。

AIGビルは建て替えられ、この2014年7月に日本生命丸の内ガーデンタワーとして生まれ変わった。霞が関ビルは築50年を超え、1990年代には十数社が入居していた外資系企業も、最新版の同総覧収録企業ではロールス・ロイス ジャパンのみとなっている。

今後も鉄鋼ビルの建て替えなど、大型プロジェクトはまだ続く。次の四半世紀後に、千代田区が失った社数を取り戻せるかが注目される。

3位の中央区(東京)に渋谷、品川、横浜が肉薄

東京・中央区も日本橋、銀座から新川、晴海、築地まで、伝統の商業地区とウォーターフロントの先駆けのエリアを併せ持ち、3位を堅持している。どちらかといえば国内商業地域としてのブランドが高いせいか、外資のオフィスとしてはツートップに水をあけられている感は否めない。今後新たな外資の呼び込みが成功するか、こちらも進行中の日本橋再開発プロジェクトが鍵を握ることになる。

4位から6位は、バブル末期に6位から8位であった都市が社数を増やし、そのまま順位を上げて3位に肉薄している都市だ。渋谷区(東京)は恵比寿ガーデンプレイス、横浜市はみなとみらい21、品川区(東京)は天王洲アイルと、大規模な開発が外資を呼び込んだ。

新宿区(東京)はバブル末期には5位につけていたのが伸び悩み、直近では7位に後退した。1991年に移転した東京都庁がいまだにランドマークというところが、吸引力低下の最大要因といえるだろう。

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