同誌の掲載社数の変遷をみると、創刊号1985年で2402社、その後1990年代に3000社を超え、2004年には3514社とピークを迎える。その後は2008年のリーマンショックを受けて減少し、近年は1990年代初めとほぼ同数で落ち着いている。
この結果、地域別分布一覧の掲載を始めた1991年版(1990年12月調査、以下「バブル末期」と表記)と、直近2014年版(2014年4月調査、以下「直近」と表記)の掲載社数は、前者が3087社、後者が3107社と、はからずもほぼ同数となった。
よって、単純に両年の地域別社数を比較することで集中度が計れる。今回は直近ランキングと合わせて、四半世紀のうちに人気地域がどう変わったか、25年前と今との比較も試みた。
トップは「森ビル王国」のある東京・港区
直近ランキングの1位は、東京・港区の795社。港区は調査開始以来ダントツの1位を継続している。区内には赤坂、六本木、虎ノ門、汐留、浜松町と都内でも外資のイメージが強いエリアを多く抱え、羽田空港にも至近で便利。1986年竣工の赤坂アークヒルズから、2003年の汐留シティセンターに六本木ヒルズ、2007年には東京ミッドタウン、多くの最新ビル竣工を重ね、2014年6月開業の虎ノ門ヒルズまで、大型オフィスビル供給が途切れない。
ちなみに、港区一番人気のオフィスビルは六本木ヒルズとなった。一時期「ヒルズ族」の退去が話題になったが、『外資系企業総覧』にはApple Japan、ゴールドマン・サックス証券など22社が収録され、面目を保っている。20社でこれに続くのが、意外に思う人も多いのではないだろうか、御成門の愛宕グリーンヒルズだ。ただしその顔ぶれは、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、ガートナー ジャパンなど、やや小粒な感じは否めない。
続いてアーク森ビル(18社)、城山トラストタワー(13社)と、森トラストを含めた森ビルグループが完全制覇する港区。近年の開発目覚ましく、今後も大規模開発が控える品川駅周辺も、実は品川区ではなく港区である。その地位は今後も揺らぐことはないだろう。
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