感染急増「子ども」にワクチンを受けさせるべきか SNS上のデマ拡散、黒幕は40億円荒稼ぎの実態

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一方、2回接種の有効性については100%との推定が出た。2回目接種から7日後以降、ワクチン群に新型コロナの発症者はいなかったが、プラセボ群では18人が発症した。免疫反応を見るために2回目接種から1カ月後に計測した中和抗体の数値も、16~25歳を上回り、若年層への効果が高いことが示された。

これに比べ、1回接種のみの段階では、ワクチン群3人とプラセボ群12人が新型コロナを発症している。いずれの場合も重症患者はいなかった。

以上、ファイザーワクチンに関しては12~15歳への高い安全性と有効性が報告され、これを踏まえて国内でも6月1日から接種対象者が12歳以上へと拡大された。

もう1つ、モデルナのワクチンも、7月26日に12歳以上へと接種対象年齢が引き下げられている。同社ワクチンの国内供給を担う武田薬品工業によれば、モデルナがアメリカで実施した12~17歳の3732人を対象とした臨床試験で、有効性と安全性が認められたという。

ファイザー同様に、18~25歳より高い免疫反応(中和抗体価)も確認され、2回目接種後2週間以降の高い発症予防効果が示唆された。重大な安全性の懸念は報告されなかった。

頭痛や倦怠感は、感染よりずっとマシ

こうして良好なデータのもとに導入されたワクチンだが、国内では12歳以上の若者への接種は思った以上に進んでいない。理由は2つ。ワクチンの供給が追いついていないことと、やはり副反応への不安からの様子見が多いことだ。

一般的な副反応については、上記の通り深刻な症状のリスクは低い。それでも特に2回目接種後は、頭痛や倦怠感、発熱などの全身症状は、ある程度は甘受していただくしかない。「感染するよりマシ」と思っていただいて、そのつもりで準備しておこう。

普段飲んでいる痛み止めや頭痛薬等があれば、それでいい。そういうものがない場合は薬局で、市販の小児用頭痛薬を購入しておくといいだろう。アレルギーや持病等で飲める薬が限られる場合は、かかりつけの小児科にあらかじめ相談しておきたい。

もう新学期が始まるが、2回目接種の翌日(場合によっては翌々日も)は学校を欠席する必要があるかもしれない。中学生以上なら普段の留守番は1人でするところだが、できれば今回は親御さんも仕事をお休みするなどして付き添ってあげたい。難しければ、誰か一定時間ごとに実際に様子を見に行ける人を頼みたいところだ。

なお、頻度は低いが、10代男性の接種後の副反応として知っておいたほうがいいものに、「心筋炎」や「心膜炎」(心臓の筋肉や膜に炎症が起きるもの)がある。

アメリカCDCの6月23日の報告では、接種後の心筋炎・心膜炎は10代後半~20代の男性に多く、ピークは20歳前後。男性が女性の8倍で、主に2回目接種から2日前後(~4日)に、ファイザーとモデルナおしなべて100万接種あたり12.6人に発生している。

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