古舘伊知郎が「とくダネ!」終了を心底残念がる訳 小倉智昭は毒っ気が持ち味の最後の司会者
これは街道筋のパチンコ屋理論ですね。1軒しかパチンコ屋が建ってないと儲からないんですよ、相乗効果がないから。民放放送はパチンコ屋だとすると、各局が毛色の違う人を使い、毛色の違うタッチの番組をつくってしのぎ合いをしながら、もたれ合っているんです。『とくダネ!』は、小倉さんが癖を見せたり、毒舌吐いたり、いやらしさをあえて演じていましたよね。
趣味と独断でジャニーズを語り、自分の好きなビートルズの話を立ちで3分間もしゃべり続ける。「おいおい、もっと早くニュース番組に行けよ」とツッコミたくなるのも含めて『とくダネ!』でした。だから、『とくダネ!』ってよくネットニュースになっていたんですよ。わざと挑発的なことも言っていましたし。
毒っ気のある番組は叩きやすい。でも、こういう番組があるから無難な番組が際立つわけです。
甲高い声でまくし立てるナレーションの向こう側
小倉さんは、まだ本格的にMCとして売れる前、ナレーターとして地固めをしていました。フジテレビの『アイ・アイゲーム』という番組のナレーションで大人気になりました。『世界まるごとHOWマッチ』もそうですよね。
キンキンした、ナレーターでも出せないような甲高い声で、アナウンサー出身とは思えないほど早口でまくし立てたんです。それが面白いって評判になって。僕の勝手な想像でいうと、小倉さんの中で、ハイテンションでしゃべるあのタッチを『とくダネ!』ではできなくなったから、その分、毒を入れてやろうと思っていたんじゃないかと感じています。
シチューを作るときにがんがん撹拌(かくはん)することができなくなったから、その代わりに、クミンやターメリックみたいな香辛料をバンバン入れて味を引き立たせるみたいな。え? シチューを作るときはそんなにかき混ぜちゃダメ? そこはなんとなくニュアンスで察してください。タイム・イズ・マネー感でいうと、昔の1時間と今の1分って同じぐらいじゃないですか。
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