上から目線で「ワイン語る人」が知らない楽しみ方 ワインを楽しむのに知識から入る必要はない

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同じシャルドネで造られた白ワインで、ブルゴーニュ、イタリア、カリフォルニア、チリ、南アフリカのものを試飲するとそれぞれの産地の個性を把握しやすい。

1人の生産者(例えばアルマン・ルソー)が造る1つの村(例えばブルゴーニュのジュヴレ・シャンベルタン村)の異なる畑のワインを並べると、その村の中におけるそれぞれの畑の位置づけ(優美な畑、力強い畑、フレッシュな畑、果実味の強い畑など)が見えてくる。比較すると本質が見えやすいのだ。

だんだんと好みがわかるように

そんな難しいテーマを決めなくてもまったく問題はない。友人が集まるなら、1本2000円と決めて、それぞれがスーパーやコンビニに行って興味を引かれたワインを買って持ち寄って、飲んでみればいいのだ。

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そうすれば自分が白ワインと赤ワインのどちらが好きかから始まって、フレッシュなスタイルとフルーティーなスタイルのどちらが好きか、タンニンが強いワインは好みか苦手かなどが見えてくる。

そんなことを何回か繰り返していると自分の好みを把握することができるようになるだろう。合コンを何回も繰り返していれば、自分の好みが見えるだけでなく、好みの異性に出会うことができるかもしれないのと同じである。

1日の仕事を終えた後に、親しい人と食事をしながら、色々とおしゃべりをする。日中の緊張がほぐれ、明日への活力が湧いてくる。そんな寛いだ楽しい時間に寄り添ってくれるのがワイン、ビール、日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール飲料だ。

それぞれに特徴があるが、大切なのは気持ちのいい時間を過ごさせてくれることだ。その日の気分に合ったワインを、自分が好きな飲み方で楽しむ。ルールは自分で決めるのが一番だ。

宮嶋 勲 ジャーナリスト

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みやじまいさお / Isao Miyajima

1959年京都生まれ。東京大学経済学部卒業。1983年から1989年までローマの新聞社に勤務。1年の3分の1をイタリアで過ごし、イタリアと日本でワインと食について執筆活動を行っている。イタリアでは2004年から10年間エスプレッソ・イタリアワイン・ガイドの試飲スタッフ、ガンベロ・ロッソ・レストランガイド執筆スタッフを務める。現在「ガンベロ・ロッソ・イタリアワインガイド」日本語版責任者。日本ではワイン専門誌を中心に執筆するとともに、ワインセミナーの講師、講演を行う。BSフジのTV番組「イタリア極上ワイン紀行」の企画、監修、出演を務める。著書に『10皿でわかるイタリア料理』『最後はなぜかうまくいくイタリア人』など。

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