上から目線で「ワイン語る人」が知らない楽しみ方 ワインを楽しむのに知識から入る必要はない

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今の世の中は魅力的なワインやレストランに満ちているので、どうしても色々試してみたいという誘惑にかられるが、軸ができる前にさまざまなつまみ食いをしても、結局は浅薄な理解しかできないおそれがある。

1つの産地や1つのタイプのワインを飲み続けていると少し飽きてくるかもしれない。そうすればほかの国、他の産地のワインを試してみて、自分にしっくりくるワインを見つけて、それに移行し、しばらくは飲み続ければいいのである。

ワインがあまりに多様なので、すべてを制覇しなければならないという強迫観念にとりつかれ、順番に有名なワインを飲んでいく人がいるが、その瞬間に自分の味覚に合うワインを深く掘り下げる方が有意義だと私は思う。

好みのワイン見極める「合コン方式」

もっと効率的に自分の好みの味わいを把握したいと思うなら、「ワインの合コン」をおすすめする。合コンでは、男女がだいたい同じ人数で集まる。1対1で会う時と比べて、合コンには2つの長所がある。

1つは他の人と比較できることである。1対1だとその人だけで判断する必要があるが、合コンでは他の男性・女性と比べて、その魅力や個性を判断できる。もう1つは相手の集団の中での役回りがわかることである。友人に慕われているのか、リーダー的人物なのか、損な役割を引き受けがちな人なのかなどがグループの中にいる彼・彼女を観察することで理解できるのである。

ワインも同じだ。1本だけを飲む時は当然それだけで好き嫌いなどを判断する。一方でワイン会という飲み会があり、そこではテーマを決めて何本かワインを飲む。今日はボルドーの2015ヴィンテージ7本とか、今日はシチリアのネーロ・ダヴォラばかり8本といった具合である。1人でワインを何本も飲むことは難しいが、10人集まれば8種類ぐらいのワインを割り勘で試飲することは可能だ。

ワイン会はワインの合コンである。長所はワインを比較できることだ。同じ畑の同じヴィンテージのワインを集めて飲むと生産者のスタイルや醸造の優劣を比較することができる。

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