アップル「iPhoneはまだ売れる」と予測するワケ ティム・クックCEO「5Gはまだまだ普及の序盤」

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iPhoneのカメラ機能の強化はまだまだ続きそうだ。そのヒントは2020年の最上位機種iPhone 12 Pro Maxにある。

2020年10月に発売されたiPhone 12 Pro(写真左)とiPhone 12(筆者撮影)

iPhone 12 Pro Maxの広角カメラは、センサーシフト式手ぶれ補正と大型化されたセンサーを採用し、色やディテールの再現、暗所性能などを大幅に強化してきた。このカメラが6.1インチの標準サイズにも採用され、下位モデルでもカメラ性能の強化が期待できる。

またこれまで複数のカメラと機械学習処理を用いて実現してきた背景をぼかすポートレートモードが、ビデオにも採用される可能性がある。

この機能はM1搭載Macと、2021年秋にリリースされる予定のmacOS Montereyの組み合わせで、ビデオ会議アプリでも実現している機能で、iPhoneのビデオ撮影にも背景をぼかして被写体を浮き上がらせるポートレートモードが技術上実現できることを物語る。

ビデオの品質向上に伴い、すでにiPadで実現していたディスプレーのリフレッシュレート(書き換え速度)を向上・可変させるProMotionの採用にも期待がかかる。

5Gキラーアプリの登場が待たれる

堅実なアップデートと、ほぼ確実な市場の成長の中、明るい未来を描くiPhoneだが、まだ不確定要素も大きい。高速化が実現される5Gのためのキラーアプリが、まだ登場していない点だ。

もちろんこれは悪いことではない。実際4Gが普及し始める際、人々がインスタグラムでライブ放送を楽しんだり、Uberでの移動が当たり前になったり、ネットフリックスでいつでも映像を楽しむ習慣が、予想はできていたとしても、ここまで当たり前に身につくとは考えていなかったはずだ。

テクノロジーの側面で見れば、アップルは拡張現実(AR)を実現する環境を、デバイスの処理性能とアプリ開発環境で整えてきた。ポケモンGoのような一部のゲームアプリでARが身近になったが、まだ生活必需品と言うほどではない。

少なくとも2021年の間は、まだ明らかにならないが、着実に新しいトレンドが生まれようとしていると考えるべきだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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