「中国バブル崩壊」はいつ起きるのか

青島の融資詐欺事件でわかった、深刻な構造問題

この後、今度は4月以降になって、中国向けの銅や鉄鉱石の輸入にブレーキがかかるなか、山東省の青島港で、銅やアルミが担保として二重に設定されていた「不正融資問題」が発覚した。もちろん、LME市場では、この不正担保による中国の事件を悲観的に見た。銅は中国では、さまざまな取引の担保としても使われている。

そのため、当初は銅市場だけではなく、中国の金融問題が深刻な状況に陥るのでないかとも考えた。ところが、大方の予想に反して、その後の銅市場は、1トン当たり6500ドルの底値から7000ドルレベルまで順調に?回復してきている。今回はこの不可解な中国だから、起こるべくして起こった不正融資詐欺事件に踏み込みつつ、今後の相場の行く末を占ってみたい。

青島の「融資詐欺事件」の根っこにあるもの

青島港で起きた、銅やアルミの二重担保の詐欺事件は日本では考えられない不祥事だ。だが、中国では時々起こりえる手口なのである。どういうことか。中国の輸入業者の中には、取引をする際、銀行から一定の期間、低利融資を受けている場合があるが、(この場合、不正に偽造した倉庫や船会社からの預かり証を利用することが多い)、取引先への支払いを実行する時までに途中何があっても、最終的にカネを金融機関に返済をすれば、「別に問題は起こらない」と安易に考えている輩が少なくない、ということだ。

こういう業者は何をするか。少し専門的な用語を使えば、銀行からの信用状の発行を受けながら、取引先への支払いを後払いにして、銅やアルミの「輸入玉」を青島港の保税区に保管し、偽造した「預かり証」をベースに、何度も低利融資をしてもらう。この作業を繰り返すのである。いわば「打ち出の小槌」を振れば、いくらでも低金利融資による資金を生み出すことができるというわけだ。

そして、理財商品や短期で値上がりが期待できる不動産などの利益の高い金融商品で運営すれば信用状の期限までの資金運用はいくらでも可能だという仕掛けである。ぶっちゃけた話、信用状の期限を3か月に設定すればその間の借入金を理財商品などで有利に運用してチャリンチャリンと儲けが入ってくる、美味い話である。

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