テレビの視聴者参加番組「絶滅」何とも残念な選択 「99人の壁」「アタック25」レギュラー放送終了

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しかし、撮れ高や笑いの手数で不安があっても、視聴者参加番組には「リアリティがある」「芸能人のような忖度をしない」という強みがあるもの。何かとネット上で「やらせ」とさわがれやすく、リアルであることを求める人が増える中、そんな不安のない視聴者参加番組は、番組のみならず局や業界全体のイメージアップにもつながるものだけに、今秋の編成はもったいないのです。

「自分に置き換えて見る」現在の視聴者

今回、視聴者参加番組が絶滅したことを知った人々は、記事のコメント欄に「芸能人が大げさなリアクションでさわぐだけの番組ばかりになる」「芸能人のクイズ番組こそいらない」などと嘆いていました。

「99人の壁」も、「アタック25」も、視聴者が「いつか出たい」「親子で見ている」「自分や家族・友人が出たからますます好きになった」などと自分主体で見られるタイプの番組。「もし自分が参加したら……」と想像したり、「参加したらこうだった」と語ったりできる数少ないコンテンツであり、芸能人中心の番組にはない魅力があります。制作サイドが思っている以上に、人々が愛着を持ちやすく、潜在的なファンの多い番組であるにもかかわらず、テレビはそんな財産を自ら手放してしまいました。

また、現在の20時台から、「99人の壁」が放送されていた19時台にスライドする「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」に対して、「『ドッキリGP』こそ、質の悪いイジメや単なるイタズラとも取れる映像を延々と流してるし、終わらせていい番組」「だまされている人をバカみたいに笑うことが好きではありません。いじめと何が違うのか……」という声があがっていました。

視聴者参加番組を「もし自分が参加したら」という視点で見るのと同じように、現在の視聴者には「出演者を自分に置き換えて見る」というタイプの人が多く、ドッキリ企画などに対する目線もシビアなものになっているのです。

「99人の壁」も「ドッキリGP」も賛否両方の声があるとはいえ、「テレビ局は視聴者の気持ちをわかっていない」とみなす人が増えていることは認めざるをえないのではないでしょうか。

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