「部下がすぐやめる上司」「やめない上司」の差 「ありがとう」の反対語を正しく言えますか?

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内から湧き上がる欲求である「動機付け要因」を引き出せない上司の元では、部下が辞めてしまうという現実が……(写真:kouta/PIXTA)
研修の企画・講師を年200回、トータル2000社、累計2万人を超えるビジネスリーダーの組織づくりに関わってきた組織開発コンサルタント・高野俊一氏による連載「その仕事、誰かに任せなさい!」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

部下を辞めさせる上司とは

あなたの部下は、仕事にやりがいを感じていますか?

それとも、今すぐにでも辞めたいと思っていそうですか?

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

もし、自分の部下が仕事を辞めたいと思っていたなら、ショックですよね。

部下を辞めさせる上司というのは、会社から評価されません。

「あの人はすぐ部下を辞めさせる」

そういう人には部下をつけてもらえなくなり、最悪の場合、降格もありえます。

部下をやる気にさせられない人、部下を育てられない人として、マネージャー失格の烙印を押されてしまうわけです。

はじめて部下をもった新任上司にとって、部下を辞めさせてしまうか、そうでないかは重要な問題です。

私は実際、多くのリーダーを見てきましたが、「部下を辞めさせる上司」と「辞めさせない上司」の違いは、明確に存在します。

それは、どこにあるのでしょうか。

この違いを理解するには、まず、部下がなぜ辞めるのか、このメカニズムを理解する必要があります。

行動心理学に基づけば、人が辞める理由は2つに分かれます。

①衛生要因(外的要因)

②動機付け要因(内的要因)

衛生要因とは、賃金が低い、職場環境が悪い、労働時間が悪いなど、仕事の中身ではなく、外から与えられる喜びのことで、外的要因とも言います。

部下を辞めさせる上司は、部下が辞める理由を「衛生要因」だと考えます。

実際、「給料が低いから」「職場が家から遠いから」「労働時間が長いから」と衛生要因を退職理由にあげる人が多いのですが、それは見せかけの理由です。

終身雇用の時代では、人は「辞める理由」がないと辞めませんでした。
しかし、今は「辞める理由」がなくても辞めてしまいます。

逆に、「続ける理由」がないから辞めてしまうのです。

続ける理由に当たるのが、「動機付け要因」です。

内から湧き上がる欲求である「動機付け要因」を引き出せていないから、部下が辞めてしまうわけです。

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