どういうことかというと、これは彼のYouTube特有の「仕組み」です。
カメラに向かって話している向こう側のスクリーンには、サポーターの人たちの顔がずらっと並んでいます。リアルでその人たちに向かって話しながら、その表情やリアクションを読み、「彼らと対話をする」ように動画を収録しているのです。
「みんなが笑ってくれるのがモチベーション」と語る彼が、リモートの難点を解消するために編み出したのが、今のスタイルだったようです。これなら、「聞き手がつまらなそうだ」「面白がっている」などの表情を読み取り、ギアを上げたり、下げたり調整ができます。
「受け取れないような剛速球を延々と投げ込んでくる人」と「取りやすい球を投げてくる人」。どちらとキャッチボールを続けたいですか? もちろん後者ですよね。
日本人がよくやりがちなのが、前者の話し方。自分が話したいことを一方的に話すだけの「モノローグ」プレゼンです。聞き手のことを置き去りにし、自分1人、好きなように好きな方向に投げ続け、相手がボールを受け取れなくてもお構いなし。一方、彼は徹底的に、相手が受け取りやすいボールを投げ、「キャッチボール」をし続けようとします。
彼の話し方は、聞き手を置き去りにしません。「そうだよね」「なるほどね」「なんででしょうか」「そこ、教えて~」「聞きたくない? 聞きたいよね」「そういう人いるよね~」「しましょうよ」。徹底的に会話調で、問いかけを織り交ぜていく。
拙著『世界最高の話し方』で、池上彰さん、高田明さんの2人がよく使うテクニックとして「2人のあきらのカネの法則」と名付けて紹介しているのですが、ただ、「です」「ます」と言い切るのではなく、時折、「〇〇でしょうか?」「△△ですよね」など、語末を「か」か「ね」と問いかけ調にすることで、聞き手との間に共感を作り出すことができるのです。
これを彼は「『か』とか、『ね』とかでトスを上げる」とたとえていましたが、まさに、相手が打ちかえしやすい球を投げる工夫をつねにしています。だから聞いている人が、「あっちゃんは私に、僕に、話しかけてくれている!」という気持ちになるわけです。
一流のYouTuberには奥深い「話法」が詰まっている
というわけで、いかがでしょうか。「『あっちゃん流』心をつかむ話し方」。その魅力はまだまだここでは書ききれないほどあり、実に奥深いのですが、「リモート時代の話し方」は「一流YouTuber」に学ぶべし!
皆さんもぜひ、お気に入りのYouTuberのスキルを盗んでみませんか。
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