文章がわかりにくい人と「伝わる人」の決定的な差 頃合いをはかり誰に向けて何を書き、書かないか
読者目線とはどのようなことを指すのでしょうか。専門用語やカタカナ語が多すぎると知識がおぼつかない読者にはまったく理解できません。理解できないと共感もわきません。
共感がわかないのでネガティブな印象のみが残ります。では、平易にすればいいかというとそうともいい切れません。「頃合い」が大切と考えています。
読者にとってのベネフィットとは
現在、私はコラムニストとして、多くのニュースサイトに記事を投稿しています。拙著『「バズる文章」のつくり方』でも詳しく解説していますが、読者の欲求を高めるには、「すぐできる」「簡単」などのベネフィットが必要になります。人は楽をしたい生き物なので「難しい」と思われてしまうと、ハードルが高く感じてしまいます。
これは過去に流行したキャッチコピーなどをみれば明らかです。『レンジでチン』(クックパッド)、『ブレスダイエット』(3秒息を吸って7秒吐く)などは有名です。「メリットのある情報」も重要な要素になりますが、ノウハウでもあるので無理に提供する必要はありません。むしろ、取りかかるハードルが低いということをイメージさせたほうが読者にとっては響くはずです。
「今日からできる」「誰でもできる」などはハードルを下げるための効果的なベネフィットです。このようなハードルを下げるためのベネフィットは覚えておくとよいでしょう。
ほかにも、「東大脳」(東大に入れるレベルの脳を簡単に手に入れる)、「ビリギャル」(学年ビリから有名大学に合格した女子)、「医師(弁護士)だけが知っている〜」(専門家の情報が簡単に手に入る)などがあります。実際の再現性はさておき、このような表現は読む人に伝わりやすいのです。
次の2つの情報を見てどのように感じますか?
B コレステロール値を下げて肝臓の機能を高める
ドリンク剤の宣伝にはタウリンが含まれていることがウリになっていますが、タウリンの効能を理解して購入している人は少ないでしょう。厚労省の「e-ヘルスネット」には「タウリンには、コレステロールを消費してコレステロールを減らす、心臓や肝臓の機能を高める、視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防など、さまざまな効果がある」と書かれています。
この説明をさらにわかりやすく解説したほうが伝わりやすいでしょう。読者目線を整理したら、それを伝えるための書き方にしなければなりません。
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