文章がわかりにくい人と「伝わる人」の決定的な差

頃合いをはかり誰に向けて何を書き、書かないか

文章を書く際には、「客観性」「明瞭さ」が求められます。視点がかたよりすぎていたり、極端に歪曲したものは好ましくありません。以下の文章は、以前あるニュースサイトに投稿したものです。就活に関する記事ですが評判になりました。

伝え方は客観性をもたせて明瞭に

「就職情報サイトは、企業が掲載料を支払って登録し、その対価として学生を自社にエントリーするように誘導するサービスです。企業の実態を伝えることや、学生が欲している情報を伝えることを目的としているわけではありません。エントリーシートは業種別に数バージョンを用意して、基本は企業名を変えるだけで使用可能なコピペエントリーシートで十分です。私が、多くの就活講座やセミナーで『就活のエントリーシートはコピペで十分』と訴えるのにはこのような理由があるからです」

人気企業でなくても上場企業であれば、相当数のエントリーが殺到します。採用数にかかわらず、人事担当者は数名が一般的です。仮に2名として1万人のエントリーシートを読むのにどの程度の時間がかかるのか計算してみましょう。

1枚1分として、採点までを含めて、1時間でこなせるのは30枚程度です。1日の実働8時間として考えれば、240枚。1万人のエントリーシートを採点するには41日もかかる勘定になります。1カ月の稼動を20日とするなら、ざっと2カ月です。2名でこなしたとしても1カ月はかかります。

これは、ほかの業務を一切せずにエントリーシートの採点のみに費やすだけで、その程度の時間がかかるということです。このように根拠を示したうえで、最後に次のように結びました。

「すべてのエントリーシートを読むことは非効率ですから、採用ではスクリーニングが必要になります。学校名や写真映りなどによるスクリーニングです。あなたが企業にとって意中でない学生ならふるい落とされる可能性が高いということです」

この論調は、採用企業を批判したことに加え、就活の裏側をつまびらかにしたことから大変話題になりました。これくらい言い切るとよほどの間違いでない限り、批判はしにくくなります。伝えたいことに自信があるならより根拠を明確にしたほうが伝わります。反発や批判も増えますが、肯定的な読者も増えます。

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