文章がわかりにくい人と「伝わる人」の決定的な差 頃合いをはかり誰に向けて何を書き、書かないか

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紙の本をぱらぱらとめくったとき、「読みやすそう」と感じるものと、「読みにくそう」と感じるものはありませんか? その違いは、レイアウトによるものです。読みやすい文章は、改行、段落、行間を適度に空けています。書く内容も大事ですが、デザインレイアウトにも気を配りましょう。

伝えるためのレイアウトを理解しよう

文字だらけの文章は読む気が半減します。1行20文字程度で表示されるスマホ画面では、文字が多くなると画面がいっぱいになってしまいます。「その記事がどうしても読みたい」のであればいいでしょうが、そうでなければ、冒頭の一文すら読まれない可能性が大です。

読みやすく改善するためには、一文は40文字以内、文章のひとかたまり(段落)は140文字程度に抑えて、改行する――たったこれだけのことで、適度に行間が空いて、文章がとても読みやすくなります。

文章レイアウトは、紙の書籍とWebページで異なります。紙の書籍は、段落ごとに1マスあけますが、Webサイトでは、基本的にはすべて左揃えで統一します。同じWebサイトでも、ニュース記事はあまり行間を空けず、約140字で改行し、1行空けて次の文章を書きます。

ブログやメルマガなどは、一文書くごとに改行、1行スペースを空けて次の文章を書きはじめます。文章を投稿する場所によって、使い分けます。

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紙の書籍の場合は、文字は基本的に縦書き。1行あたりの文字数は40文字程度です。おおよそ2、3行ごとに改行をします。それによってページ下段に余白ができます。紙の場合は、話が一段落したところで、1行空けて余白を作ります。

Webサイトの記事は、パソコンとスマホで読まれることを前提にデザインを組みます。このとき行間が空きすぎていると、最後まで読み切るまでに何度も画面をスクロールしなければいけなくなります。

ブログに関しては、逆に文字がぎっしり詰まっていると、息苦しさを感じます。なぜなら、ブログなどは、リラックスした気分で読みたいからです。こんなときは、余白が多いほうが読まれやすいのです。

文章の内容以上にレイアウトも大事です。自信のない方は一度、自分の文章のレイアウトについて、見直してみることをおすすめします。紙媒体、Web媒体、ニュース記事、ブログ記事。それぞれ読む局面と目的、読者層も異なります。目的に応じたレイアウトを心がけるといいでしょう。

尾藤 克之 コラムニスト、作家、著述家

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びとう かつゆき / Katsuyuki Bito

東京都出身。議員秘書、大手コンサルティングファームで、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎元首相夫人)を運営しライフワークとしている。NHK、民放のTV出演、協力多数。コラムニストとしても、「JBpress」朝日新聞「telling,」「オトナンサー」「アゴラ」「J-CASTニュース」で執筆中。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)、『即効! 成果が上がる 文章の技術』(明日香出版社)など著書多数。埼玉大学大学院博士課程前期修了。経営学修士、経済学修士。

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