仏グルノーブル、入院患者数30%減の理由 在宅医療システム導入で、すべてが変わった
――日本では本格到来する高齢化社会への対応が喫緊の課題です。
興味があるのは、日本が高齢化について、どう組織的に対処しようとしているかということです。フランスでは現在、政府レベルと同時に県レベルでもこの問題に対処しています。それゆえ、首尾一貫したものがなくてはならない。
日仏とも、置かれた状況は変わらず
高齢者に施される資金面での支援にも難しい面があります。フランスでは国民皆保険制度の下で、病気になった人に対しては公的な医療保険から保険金が支払われます。つまり、ファイナンスを行うのは政府です。また、在宅での医療サービスを行うことができるよう費用を負担するのは県。さらには、リタイアすると、「疾病金庫(Caisse)」と呼ばれる機関があり、そこから年金が支払われるなど、仕組みは複雑です。
こうした状況は日本も同じですよね。実は両国とも似たような状況に直面している。日本のほうが高齢化の問題には若干デリケートではありますが・・・。
効率性を踏まえれば、垂直的なアプローチではなく、資金面での支援を水平的に統合させていくことが必要です。しかも、そうしたモデルは在宅医療の発展を促す新たなテクノロジーの開発・提供にも資するものではなくてはなりません。
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